山日新聞によると県下全域に「ドクターヘリを運航するべし」という報告書がドクターヘリ導入可能性検討委員会から発表されたようだ。
報告書は甲府県立大学で同日開かれた第4回検討委員会で結論づけられた、報告書によると導入で見込まれる搬送件数は年間290件程度、治療開始までの時間短縮で救命率向上や後遺症軽減の効果があることが期待できるという。また、国庫補助事業の活用や交付税措置などで県の財政負担は年間運航経費の約1割の2300万円程度に抑えられるとのことである。
ここでドクターヘリ設置の賛否について、地球よりも重い人の命を救う施設整備を「反対だ」というようなことは政治家として言いにくいことではあるが、私はあえて苦言を呈したい。
まず始めに費用についてである、経費削減の根拠を検討委員会では交付税と補助金においているがその根拠が覆る時がこないとという保証はあるのか?
今、政府も金がない、まして臨時財政対策債さえ先が分からないとき、更に言うと交付税さえ制度的に大幅に変えようとしている時、先が読めないことは明白な事実である。
まして、1次や2次で施設整備が充実していない状況下、いや施設だけではなくマンパワーが不足している中で搬送手段だけ強化しても旧式の火縄銃に新式の機関銃の弾を装填するようなものではないか。
これからの時代、県境を越え広域連合よろしく整備すべきであるし、なんと言っても身の丈に合った整備が必要であろう。他県とのつながりや交渉は熱意と危機感、悲壮感と情熱、そいて高度な政治交渉が必要である。
以下、ドクターヘリ導入可能性調査の概要を記載する
本県の特性 ♢
本県は、山間へき地や今後も道路整備が必要な地域が多い上、医機関や高次医療施設(県立中央病院・山梨大学附属病院)が甲府及びその周辺地域に集中。
今後、幹線道路が整備され、県内1時間交通網が確立されたとしても、高次医療施設まで30分以上を要する地域が多く残される。また、救急搬送の件数は年々増加し、平成19年には約3万2千件このうち、重症患者は約1割の3千2百件程度となっている。
このような中、峡南消防本部、大月市消防本部、上野原市消防本では、通報から医療機関までの救急車の搬送に特に時間を要している。
県立中央病院・救命救急センターへの搬送の現状
甲府市及びその周辺地域からの搬送件数が多い一方、富士・東部地域や峡南地域からの件数は少ないことから、県民に等しく高度な救命救急医療を提供する体制の整備が整っているとは言えない。
ドクターヘリ導入の可能性
① 救急搬送状況調査
調査対象 平成21年4月、8月、12月の3箇月間の日中に救急現場及び医療機関から病院に救急車で搬送され重症患者(心肺停止を除く)。
調査結果 重症患者の年間推計1,672人(外傷:392人心疾患:236人、脳疾患:336人、その他:720人)。
② 本県にドクターヘリを導入した場合の運用見込数と導入効果
対象地域 高次医療施設まで救急車で30分以上要する20市町村25地域。
有効症例 「外傷」と「その他の急性疾患」が主な有効症例。
これらの症例数は、救急機関からの搬送の場合は年間326件、医療機関からの搬送を含めると年間390件 と推計。
運用見込数 先進導入県の運用時間や運用日数を踏まえ推計すと、救急現場からの搬送の場合は年間240件程度 医療機関からの搬送を含めると年間290件程度。導入効果 治療開始までの時間を短縮でき、救命率の向上や後遺症の軽減に繫がる。
③ドクターヘリの代替
救命救急医療の充実・強化という観点から、
・消防防災ヘリは消火・救急・救助など業務が多様であるのに対し、 救急医療を専任とし機動性・迅速性などに優れているドクターヘリの方が適当。
・ドクターカーは活動エリアが限定されるのに対し、ドクターヘリ は全県を対象エリアとすることができる。
♢ これらを踏まえると、消防防災ヘリやドクターカーはドクターヘリと相互に補完・連携させることで、救命救急医療の一層の充実・強化に繫がる。
④ドクターヘリの医療スタッフと県の財政負担
医療スタッフ 全国の基地病院の状況を見ると、現行の救命救 センターの医師・看護師を基本として、自病院 他科の医師や他病院の医師をローテーションに組み入れるなどして人員を確保している。県の財政負担 ドクターヘリの運用には毎年2億円以上の経費 必要となるが、国庫補助金や地方交付税措置により、県の財政負担は大幅に軽減される。
結 論 ドクターヘリを導入した場合、
有効症例数から見ると、年間300件近い救急搬送が見込めること、導入の効果として、治療開始までの時間を短縮でき、救命率の向上や後遺症の軽減に繫がること、概ね片道15分(往復30分)以内で県内全域をカバーするこができ、全県にわたり均質な救命救急医療の提供が可能となること、消防防災ヘリやドクターカーと相互に補完・連携ができること、国庫補助事業の活用や地方交付税措置により県の財政負担が大幅に軽減されることなどを総合的に勘案し、本検討委員会としては、本県の救命救急医療体制の一層の充実・強化 図るため、ドクターヘリの導入を推進すべきとの結論に至った。
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