山梨県議会平成21年9月定例議会(山梨県議会議員 白壁賢一)2/5
栄養職員の熱意が成功のかぎ
山梨食育推進計画では平成22年度までに重量ベースで県産食材の使用割合を35%にす るという数値が掲げられているが、達成見込と取組状況について、また重量ベースではな く多くの山梨県産食材(多品目)を使用していく視点も大切だと考えるがどうか、質問し ました。また、群馬県の先進的な例を挙げ、学校給食を担当する栄養職員の「熱意」やこ れを支援する自治体の「姿勢」さらに生産者の「努力」も必要だが、成功するためには今 以上の教育委員会の強烈な「リーダーシップ」が必要と認識しているが、所見をお聞かせ 願いたい旨、質問しました。
松戸清・山梨県教育委員会委員教育長が答えました。
また、地元農産物を学校給食に利用する場合の学校側の課題は、 そのまま生産者への要望であり、この両者の溝を埋めるべくどのよ うな取組みをされているか。また、学校側での県産食材の「必要数 」を生産者がスピーディに対応できるよう支援が必要だが、どのよ うな対策を施しているかを質しました。
笹本英一・山梨県農政部長のが答えました。
白壁
学校給食における地産地消の推進について伺います。まず、学校給食における取り組み状況についてであります。本県の学校給食においては、「やまなし食育推進計画」に基づき、地域の食材を使用した献立を積極的に取り入れるほか、米飯給食の実施回数を増やすなど、地産地消を推進しているとのことであります。
この計画においては、学校給食における県産食材の使用割合を重量ベースで、平成二十二年度までに35%以上とする目標値が掲げられていますが、達成の見込みと取り組み状況について、お伺い致します。
教育長
県教育委員会では市町村教育委員会とともに、学校給食を「生きた教材」として食育を推進しており、県産食材の利用促進に取り組んでいます。
農政部と連携して調査した重量ベースでの県産食材の使用割合は、平成十六年度は31・74%、十八年度は33・69%、二十年度は34・13%となっており、徐々に目標値に近づいています。現在、平成二十二年度の目標値達成に向け、給食に地域の食材を利用した献立や郷土食・行事食を積極的に取り入れるように指導するとともに、地域の食材の利用拡大に結びついた実践例や県内全域の学校給食関係者に提供されている甲府市中央卸売市場の入荷情報の活用を図るなど、県産食材の利用促進の取り組みを進めています。
白壁
徐々に目標値に近づいていることは分かりました。しかし、重量ベース換算は比重の重い食材を使用すると高くなるということであり、先程も申し上げましたが、米飯給食の回数を増やせば重量ベースでの県産材の使用割合が高くなる、ということではないのでしょうか。
米飯給食が悪いと言っているのではありません、単に重量ベースを目標にするのではなく、学校サイドにおいては、多品目な地域の食材を使用するとの視点も大切と、私は考えるのです。この点についていかがお考えか、お伺い致します。
教育長
県教育委員会といたしましても、使用した食品数を基にした食材ベースで県産食材の割合を高めていくことは、地域の食材を活用しながらバランスがとれた給食を提供する上で重要であると認識しており、栄養教諭等が地域の食材を積極的に取り入れるとともに、給食の時間に児童生徒に使用食材などについて説明を行っております。
こうした取り組みにより、峡北や峡南地域では地域の食材の使用割合が大幅に伸びた市や町もあります。今後とも食材ベースの使用割合が更に増加するよう、学校給食に地域の食材を利用した献立を取り入れた実践例の情報交換などを行い、食品数にも着目した取り組みを進めたいと考えています。
白壁
重量ベースと異なる調査方法による全国平均と比べてみます。国が公表した地場食品数を使用した割合の全国調査結果では、平成十九年度は全国平均23・3%に対して、本県は22・3%と、平均以下であります。このように調査方法により結果が異なるため様々な視点での比較も必要であります。全国には成功事例が数多くありますが、その一例として群馬県では地場食品数を使用した割合が32%を超え、吉井町での農産物直売所を通じた町内産野菜を安定供給する体制の整備など、先進的な取り組みが実を結んでいます。
このように地産地消の取り組みを成功させるためには、学校給食を担当している栄養職員の熱意が最も大事であり、さらに、これを支援する自治体の姿勢や、これに応える生産者の努力も必要であるとのことです。地域の農産物を学校給食の食材として利用するためには「規格の統一」「安定的な食材確保」「価格の低廉化」が大事であることはよく承知しています。しかし、他県の成功事例をみますと、利用者側に工夫する余地がまだあるように思います。このため、今後、県教育委員会として更にリーダーシップを発揮して取り組むべきだと思いますが、ご所見をお伺い致します。
教育長
県教育委員会では平成十九年度から五名の栄養教諭を配置し、モデル事業として食育推進事業を実施する中で県産食材の利用促進を図って参りました。これにより使用する地域の食材が大幅に増えた事例など多くの成果が得られたことから、今後、全市町村教育委員会に栄養教諭を配置することを基本とし、地域の食材を利用した献立等による食文化への理解を一層深めて参ります。
さらに、こうした事業の成果や各地域における先進的な取り組み事例などを、学校栄養職員研修会など各種研修会において紹介し、安全で廉価な食材の安定確保に向け、情報交換を行うなどして県下全域で県産食材の利用促進が図れるよう努めて参ります。
白壁
栄養職員の数というより、人数というよりもやはり熱意だと思うのです。このあたりもしっかりと捉えてもらいたいと思います。
次に、学校給食への利用促進に向けた取り組みについてお伺いします。地元の農産物を学校給食に利用する場合の学校サイドの課題は、そのまま生産者サイドへの要望でもあり、この両者の溝を埋める努力が必要であります。そこで、生産者サイドでも地産地消を推進するため学校給食への地元の農産物の利用促進を図る必要があると考えますが、県はどのような取り組みを進めているのか、お伺い致します。
農政部長
学校給食に地元の新鮮な農産物を供給することは、児童・生徒の地域農業への理解を深めるとともに、地産地消の推進と地域の食文化の伝承につながる大切な取り組みです。
上野原市ではJAの食材提供部会が、また、南アルプス市では直売所が、地元農産物の学校給食への提供を早くから始めており、供給量も年々増加していますが、県では普及センターを中心に、生産者と学校給食関係者との調整や栽培計画づくりなどを支援しているところであります。また、このような取り組みを拡大していくため、農務事務所単位のJAや市町村教育委員会などで構成する推進協議会において生産サイドと学校給食サイドの連携の在り方や安定的な食材供給の方策などについて共通認識を深め、合意点を見いだしながら地域農産物の利用促進を図っています。
白壁
民間事業者は、発注者側の意向などの情報収集に努め、ニーズに速やかに対応する姿勢をとっています。そこで、生産者サイドにおいても利用者である学校側のニーズをタイムリーに把握し、きめ細かく迅速に対応する取り組みが進められるよう県も一層支援していく必要があると考えますが、ご所見をお伺い致します。
農政部長
地域の農産物をより多く学校給食に利用していくためには、生産者と学校給食関係者とが密接に情報交換を行い、進めていくことが重要です。
農産物は、収穫までに時間がかかることから、栽培計画に基づいて安定的な生産や供給をしていくためには、必要な品目の規格や量、時期など学校側の要望を聞くとともに、生産者側からも予め生産情報を提供して献立に活かしてもらうなど、双方が協力し前もって調整しておく必要があります。このため市町村や学校単位で、供給品目や取引条件などについて生産者と学校給食関係者が協議する場づくりを進め、地域の農産物の学校給食への利用拡大に努めて参ります。









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