02「クオリティの高い観光地」 スペシャル対談第一回「観光振興を考える」
リピーターが増える観光地。何が必要なのか
白壁
山梨県の魅力とは何ぞやといえば、いろいろとありますが、やはり自然でしょう。特に富士北麓・東部地域には手つかずの雄大な自然が残り、富士山があり、あるいは富士五湖があり、名水で知られる忍野八海や道志川がある。この山梨の自然の素晴らしさ、潜在的資源をいかに売り込んでいくか—観光推進機構が、良い商品を開発し販売してくれることを期待したいですね。
野田
山梨県を訪れる観光客の30%近くは、豊かな自然を目的にしています。富士北麓のエコツーリズムは平成16年度から地域指定を受けてやっているわけですが、年間10万人くらいに上ります。
白壁
「環境」は時代のキーワードです。関心も高い。エコツーリズムやグリーンツーリズムなどに参加する人が増加しているのはよく分かります。私の地元でも、いろいろな人、さまざまなグループが知恵を絞ってイベントやツアーを考え、頑張っています。ユニークな企画もたくさんあります。
野田
いろいろな企画が点として存在している嫌いがあります。これらの点と点を結び、線にして、面にしていくのがわれわれの仕事だと考えています。例えば青木ケ原樹海と御師の家、冨士浅間神社を結びつけるコースを設定し、宿泊を絡めるようなことも考えられます。ジビエ料理を取り込んでもいい。こういう商品が売れたら、観光地を形成するさまざまな業界にいい影響が出てくると思いますね。
白壁
開発した商品は、どのように販売していくのですか。
野田
一つは「富士の国やまなし観光ネット」を構築し直して商品を掲載し、観光客に直接買っていただくこと。もう一つは、大手のエージェントに商品を加工してもらって販売する方法があります。県内にはいろいろな資源、例えばエコツーリズムやワインツーリズムなどの商品がたくさんあります。これらをコーディネートし、ネットワーク化し、商品として販売します。それを地域に下ろしていくのも、われわれの重要な務めです。
白壁
機構が核となって、地域の観光を引っ張っていくようになってほしいですね。県内の各観光地が切磋琢磨しながら、山梨全体の観光振興を図ることができれば素晴らしい。
私はかねがね、観光というのは総合産業だと考えています。経済活動という捉え方だけではなく、教育も文化などいろいろな要素の集合体であると。
野田
愛媛県の双海町は「しずむ夕日が立ちどまる町」として年間55万人が訪れる観光地になりました。これをプロデュースした町の課長に、いい観光地になるためには何が必要か尋ねたことがあります。課長が言うには、町を訪れた人に子どもたちが元気に挨拶すること、ごみが落ちていないこと、家々の庭にさりげなく花が植えてあること、できれば大勢の人が使うトイレがきれいであることを挙げていました。そういうクオリティの高い地域をつくっていくこと、そしてそれが訪れた人たちに伝わると、リピーターも増え、いい観光地になっていくのだ思います。
白壁
そうですね。私の地元である富士北麓地域でも各湖で定期的にクリーン作戦が行われ、昔と比べて湖は格段にきれいになっていますし、道路沿いには四季折々の花が咲いています。景観にも相当気を遣うようになってきました。クオリティの高い観光地にしていくためには地域が一体となって取り組んでいくことが絶対必要です。
野田
北麓の人たちは富士山とともに暮らしています。世界中から富士山を、また雄大な自然を目指して多くの観光客が訪れるのですが、自分たちが生活しているところには富士山がある。それを誇りとする意識を醸成していくことがとても大事だと思います。









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