1.最新情報

道志村に小中一体型の学校が完成しました。

3月25日・今日は道志村の小中一体型校舎竣工式に出席してきました。

道志村は少子化の中にあって少し前なら各学年に30人を超える同じ年の生徒がいたのに最近では一桁前後しかいない過疎の?学校になってしまい村政の大きな課題となっています。道志村は、明治の頃から横浜市の水源として、また自然が多く残る本県の中でも、特に緑豊かな土地柄であり、また人々は勤勉で心優しい方々が多く居住する地域であります、その昔をたどれば平家の落人部落だという方もおられます。

数年前の耐震診断により小中学校の旧校舎に耐力不足が判明、更に小学校は裏山が砂防警戒地域の指定されたため小学校を現中学校敷地に移設させ一体型の小中校とし今回の竣工へと至ります。

すばらしい環境のもと、土砂災害などの防災面も考慮した県下初の小・中一体型校舎が完成したことは子どもたちの心と身体の基礎をつくる義務教育課程の発展に大きく資するものであり、また価値観が多様化する現代社会にあって、小・中学校の児童・生徒が緊密に交流し合い、幅広い学校活動が展開されることは、思いやりの心や協調性を育み、豊かな人間性の形成に理想的な環境が整ったということであります。

これから大規模校にはまねのできないきめ細やかな教育となんといっても全国でも注目を集めるような特化した教育校を目指し将来の「義務教育学校」移行に向け地域住民に親しまれ、子どもたちの幸せを育む拠点として、機能が十分に発揮できるようご期待申し上げます。

 

山梨県議会2月定例予算特別委員会の報告をしました

予算特別委員会に付託されました議案の審査の経過並びに結果につきまして、ご報告申し上げます。

まず、審査の結果から申し上げますと、お手元に配付の委員会報告書のとおり、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。

次に、審査の経過から、主なるものについて、その概要を申し上げます。

第十三号議案、平成二十九年度山梨県一般会計予算のうち、まず、地域創生連携会議設置費

についてであります。

「本県では、人口減少対策を県政の最重要課題と位置付け、地方創生に向けた地域の課題解決に取り組むため、明年度から各地域県民センターで、官民協働の会議を開催するとのことだが、この会議によってどのような効果を目指すのか。また今後どのようにこの会議を進めていくのか。」とただしたのに対し、「本年度、各地域県民センターに、地域創生・防災担当を設置し、管内市町村との連携を強化するなど、地方創生に向けた取り組みを進めているが、

今後、地域の関係者が、地域資源の発掘や情報収集を行い、地域課題の解決に向けた具休的な取り組みを検討していくため、明年度、各地域県民センターに、地域の事情や課題に精通した方や、地域活性化に取り組んでいる団体の方など、幅広い分野や年齢層の方々を

メンバーとする、地域創生連携会議を設置することとした。この会議により、地域住民や企業団体等と行政の連携・協働による、地域が一体となった体制づくりを推進し、地方創生に向けた地域の主体的な取り組みを更に加速することで、地域の課題解決が図られるよう進めて行く。」との答弁がありました。

次に、やまびこ支援学校建設事業費についてであります。

「県は、やまびこ支援学校を大月市内の桂台地区に移転整備することとし、平成三十二年一月の移転を目指して、所要の予算を計上しているが、大月市議会から提出のあった陳情書によると、移転に反対する意見もあるとのことであり、また一方、保護者の有志からは、県教育委員会の計画の実行を求める陳情書が提出されたと聞いている。現在、学校はどのような状況にあり、また、保護者は桂台地区への移転をどう思っているのか。」とただしたのに対し、「やまびこ支援学校は、開校以来三十七年が経過し、施設・設備の老朽化とともに、

児童生徒数の増加に伴う、教室の不足が生じている。また、敷地が高低差のある傾斜地であるため、肢体不自由の児童生徒や、補助する教職員にとって、校内の移動が負担となっている。更に、平成二十一年には、土砂災害警戒区域に指定されたことなどから、早期に移転し、

児童生徒が安心して学習できる教育環境の確保を図る必要がある。また、やまびこ支援学校のPTAから、移転先についての要望書の提出があったが、桂台地区は、要望書に記載の条件をすべて満たしており、賛成していただいている。昨年十二月と本年一月に開催した住民説明会及び学校見学会でも、移転に反対のご意見は出なかった。」

との答弁がありました。

次に、県産酒アジア販路開拓トップセールス事業費についてであります。「これまで知事は、

シンガポールやマレーシアにおいてトップセールスを行い、県産酒の販路拡大を進めてきたが、明年度については、ベトナムと台湾において、酒類(しゅるい)業者などへのトップセールスを行うこととしている。ベトナムと台湾で実施する趣旨、意図はどのようなものなのか。」とただしたのに対し、「ベトナムでは、酒類の消費量が大きく伸びており、県産の日本酒も、平成二十七年度には、前年に比べ約二倍の出荷量と増加する一方、ワインについては、

日本からの輸入は、ほとんど行われていない現状を踏まえ、トップセールスにより、県産日本酒の定着とワインの新規販路開拓を図って行きたい。また、台湾は、我が国にとってアメリカや韓国に次ぐ酒類の輸出先であり、県産酒にとっても重要な市場であることから、トップセールスを通じて、県産酒の更なる市場拡大を目指して行く。」との答弁がありました。

次に、リニア環境未来都市整備事業費についてであります。

「先般公表されたリニア環境未来都市整備方針の素案では、リニア駅の周辺整備について、交通エリアと観光交流・産業振興エリアに区分し、駅周辺本県の新たな玄関口としてふさわしい場所となるよう、さまざまな機能を整備することとしているが、限られた時間の中で着実に整備を進めるため、今後、どのように検討を進めていくのか。」とただしたのに対し、「リニア駅周辺の整備は、リニア開業の効果を全県に波及させていく上で重要な取り組みであり、産業立地や観光振興、アクセス三十分圏の拡大など、さまざまな面で関係部局の連携が必要なことから、司令塔となる組織を設置した新たな体制の中で、具体化に向けた検討を進めていく。今後は、駅周辺に整備する施設の内容や整備手法などについて更に検討を行い、リニア中央新幹線の開業を見据え、計画的に取り組みを進めていく。」との答弁がありました。

次に、地域防災力・避難所運営強化支援事業費についてであります。

「地域ぐるみで災害に対応できる『地域防災力』を強化するため、県では、自主防災組織の

中核となる地域防災リーダーや防災士の養成を行っているところだが、熊本地震を受け、防災士を養成する講座を充実するとのことであるが、具体的にどのように充実するのか。」 とただしたのに対し、「熊本地震において地域住民による避難所の自主的な運営が課題とったことを踏まえ、避難所運営のリーダーとなる人材の育成を一層進めるため、明年度は、防災士を養成する甲斐の国・防災リーダー養成講座のカリキュラムに避難所運営に関する内容を加えるとともに、講座の定員を五十名増員する。これにより、本県で大規模災害が発生した場合においても、避難所運営のノウハウを身に付けた人材を中心とした地域住民の自主的な活動により、円滑な避難所の運営が実現できるものと考えている。」との答弁がありました。

次に、私立小中学校授業料支援実証事業費についてであります。

「私立小・中学校に通う子供の学校教育費は、これまで授業料に対する支援がなかったことから、経済的余裕のない世帯の授業料負担の軽減を図るため、給付金を支給する本事業には、

今までにない取り組みとして大きな期待を寄せているが、この事業の対象となる県内私立小・中学生の人数と、その割合はどのくらいか。また、義務教育課程において、

私立学校を選択している実態の調査を行うこととしているが、今後どのように展開していくのか。」とただしたのに対し、「国が本事業の対象の算出に当たり用いた、子ども学習費調査における年収四百万円未満の世帯割合、小学校三・四パーセント、中学校四・一パーセントを参考とし、小学校は三十八名、中学校は四十五名を見込んでいる。国においては、本事業で把握する、義務教育において私立学校を選択している理由や、家庭の経済状況などについての実態をもとに、今後の効果的な経済的支援のあり方を検討することとしている。」

との答弁がありました。

次に、定期巡回・随時対応サービス普及促進事業費についてであります。定期巡回・随時対応サービス普及促進事業費についてであるが、この事業の実施の背景と期待される効果は。」

とただしたのに対し、「訪問介護や訪問看護を定期的に利用できて、緊急時等には必要な対応をいつでも受けられる定期巡回・随時対応サービスは、在宅で生活する要介護高齢者の

安心感や利便性の向上につながるものであるが、県内でこのサービスを行う事業所は、本年度末で六箇所にとどまっている。このため、新たにセミナーの開催や先進事業者をアドバイザーとして派遣し、事業者の未参入の要因となっている、サービス内容や事業運営方法等の理解不足、採算性の不安などの解消を図り、参入事業者をふやすことにより、在宅で生活する要介護高齢者等への支援の充実につなげていく。」との答弁がありました。

なお、本委員会は第十三号議案を可決すべきものと決定した後、「やまびこ支援学校の移転については、引き続き、地元住民等との調整を十分図るよう求める」との附帯決議を決定いたしたところであります。以上をもちまして、予算特別委員長の報告といたします。

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本会議なのか委員会なのか混同状態の山梨県議会

議会の本会議場とはどんな場所でどの様な役目を果たしているのであろう。

議場では議員に対しての服務規定があり、持ちこみ物まで規制されている、また傍聴者は厳しい決まりの中で静粛に字のごとく静聴しなければならない、決まりに反すると強制退場を命じられる、それだけ議場は厳粛な場なのである。

そんな厳粛な場所であるはずの本会議場が委員会審議でも行っているような軽い雰囲気と化してきている、本来委員会主義とは委員会審議で奥深くまで徹底的に一問一答で質疑質問し納得いかなければ否決、可決でも何かあれば付帯事項を付けて本会議へ、委員長報告の後採決、正式議決となる。

最終議決は本会議である、つまり委員会でいくら可決しても本会議で否決されればその議案は通らないのである。

近年地方議会の本会議が委員会化してきている、九州辺りが発祥と言う話があるが一問一答で質疑しその際パネルまでパホーマーする、本議会の威厳はどこへやら、全く本会議と言う神聖な場所にあるまじき議会運営が幅を利かす、言い方は汚いが「くそみそ一緒」と言ったところ。

ただ、「本会議の代表質問や一般質問は一括質問、一括答弁なのでわかりにくい、よって分割質疑分割答弁なら聞いている方々も理解しやすい」これはその通りであり了とするが本会議でのパネルや物を提示しての一問一答は葬儀に坊さんのお経を個人が好きだったのでまた周りの人が分かりやすいので演歌の替え歌でお経の言葉を入れて坊さんに歌ってもらう類と何ら変わらない。

国会で質問者が予算委員会のようにパネルでも出しながら質問したらどうなるか?滑稽の一言に尽きる。

質問内容はべつとして、本日の山梨県議会での一般質問である議員がパネルを提示しながらパフォーマンスよろしく質問をしていた、質問者本人は市町村議会の経験がなく、また議員経験も浅いことから悪気はないのであろうが「議会とは・議員とは・・・」と長い年月考え、悩み、経験してきたものからするとかなり違和を感じる。

議会改革は積極的に行うべきであるが一定のルールや節度をもって行うべきと考える。

今日はおもてなしキャンペーンと韓国領事館、さらに地元商工会賀詞交歓会でした

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今日は朝7時50分から山梨県甲府駅でおもてなしキャンペーン、その後横浜韓国総領事館で総領事との意見交換会、そして山梨に戻り地元富士ビューホテルで河口湖商工会賀詞交歓会でした、距離的には300キロメーターを越える移動でしたが充実した1日を送ることが出しました。

くだらない委員会審議

昨日、山梨県十二月定例県議会における委員会審議が終了した。

いつものことながらイデオロギーと価値観の違う共産党の県議が芦安線の橋補強の件で分かり切っていることを話題にしあげあし取りの質問を繰り返した。

わかり切っていると言っても土木、特に橋梁構造と工程管理・安全管理に対する知識がないとあんな質問になるのか?

これも仕方ないと言えば仕方ないことだが、あまりにも県担当者の説明答弁が悪すぎる、相手は県議と言っても素人でありもともとリニア反対を標榜しているグループに所属する議員でもある。

もしこの委員会を土木の技術屋が傍聴していたとするならば大笑いしていたことであろう。

県担当者ももう少し答弁力向上に努力してほしいものである。

世の中がおかしい、極右勢力が大衆が・・・

世の中がおかしい。

イギリスのEU離脱、トランプ大統領の誕生、イタリア、フランス、ドイツ、オーストリア・・・極右組織が拡大している。

オルテガの大衆の逆襲に「今日のヨーロッパ社会において最も重要な一つの事実がある。それは、大衆が完全な社会的権力の座に登ったという事実である。大衆というものは、その本質上、自分自身の存在を指導することもできなければ、また指導すべきでもなく、ましてや社会を支配統治するなど及びもつかないことである」とある、世界は・大衆は・排外主義に突き進む。またトランプ氏は「大衆は気持ちを高めてくれるものがほしいのだ」ともいう。

ネット社会によって瞬時に情報が流れ新たなイデオロギーが蔓延する。

民は之に由らしむべし、之を知らしむべからずは孔子の言葉だが、政治は難解だから大衆にはわからない、だから信用させるのみという意味だが、世界は扇動政治、プロパガンダが大手を振ってまかり通る時代。

日本はIRとか築地だとか能天気なことを話題にしているがこんなことでよいのだろうか。

消費増税・TPP問題について。

今回の熊本を中心とする震災と3月22日の国際金融経済分析会合を合わせ考えると消費税増税はないものと考えるし、あってはならない。政府は多分今後相当な額を補正計上するであろう、万が一その後増税などしたら3年から5年は消費は落ち込み補正予算化したお金はその効力を発しないまま泡と消えてしまう、更に言うとTPPなども先送りにするであろう、もともと規制緩和系はデフレを誘発するものであるから、経済の増税による悪影響と同じである。

以下は2016年3月22日に行われたポール・クルーグマン氏( Paul Krugman)と日本の政府筋 officials との会合における議事録である。

 

 

(司会) それでは、第3回目の、国際的な金融と経済についての分析会合〔「国際金融経済分析会合」〕を始めさせていただきます。ニューヨーク市立大学のポール・クルーグマン教授をお招きしております。ではまず、総理からお話しいただきたく存じます。

 

(安倍首相) 今回は、国際的な金融と経済についての分析会合の第3回目です。私からご挨拶させていただきたく思います。ノーベル賞受賞者であり、また、米国経済諮問委員会 Presidential Council on economic advisers の一員でもあられました、ニューヨーク市立大学のポール・クルーグマン教授をお招きいたしました。この会合にお越しいただきありがとうございます。

クルーグマン教授はこれまでも、経済学的な主題について、様々な提起、提案をなさってきました。この会合で、私たちは、世界経済の分析についてのあなたの見解をお聞きしたいと思いますし、そしてまた同時に…。私たちは政権 administration の最初から「3本の矢」という政策を導入したのでした。そしてまた、少子高齢化社会へと対応する「新・3本の矢」を提案したわけであります。

今年の五月に、私たちは伊勢志摩において、世界経済の力強い成長に向けたG7サミットのホストとなることが予定されています。私たちは、強いメッセージを送り、また意見交換 communication したいと考えています。今日の会合は、その今年5月の伊勢志摩サミットの地固めとなる prepare ground べき討論会 forum です。ありがとうございます。

 

(司会) 総理、ありがとうございました。では、クルーグマン教授から、最初の発言をお願いいたします。

 

(クルーグマン教授) ここにいらっしゃる方々へとお話させていただきますことと、こうした事柄についての発言を求められたという名誉への感謝を、この会合が非公開となります前に before we close the meeting 、手短に申し上げさせていただきます。

世界経済は困難な状況にあります。といっても不幸なことに、ほとんどこの8年間、我々の誰にとっても容易な時期というのはなかったのですけれども。

我々みんなの願いとして…。私は、日本のなした政策転換 policy moves を強く支持する者 a great admirer でありますが、それらの諸政策は十分なものではないのです。その理由の一端は、日本以外のみんなも困難な状況にあるから、ということであります。

重ねて申し上げますが、今後なにがなされうるのかということについて意見を求められたことを非常に名誉に、また喜ばしく思うものであります。

 

(司会) ありがとうございました、クルーグマン教授。報道陣の方々にはご退出をお願いいたします。それでは本題に入りまして、クルーグマン教授、プレゼンテーションをお願いいたします。

 

(クルーグマン教授) 4点を申し上げたく存じます。第1は、「我々はいま、経済的な弱さの蔓延した世界 the world of pervasive economic weakness の中にいる」ということです。多くの面で、我々はみな日本になってしまったのです we are all Japan now 。これが、日本も含め、みんなにとって政策を難しいものにしています。

第2は、「主要経済大国 major economies どうしの結びつきが強まっている」ということです。従来の経済学上の議論が提起してきた以上にということです。私がそう主張しますのは、主として資本移動 capital flows という面からであります。これについてお話しするのは非常に大事なことです。

第3は、今ここで特に懸案となっていることかとも思いますが、「非常に大胆かつ非伝統的な金融政策 monetary policy を通じてさえ、目標を達成することが難しく思われるようになった」ということです。黒田さん Kuroda-san もここにおられるのですから、我々がこれについて話さねばならないのは明らかであります。

第4がなにかと申しますと、「金融政策は財政政策 fiscal policies の助けを必要とし、できればその他の諸政策の助けも必要とする。しかし、間違いなく財政面で必要とするのであり、反対方向へと動いている財政政策と格闘する必要はまったくない」ということです。この点は、ただ日本だけの問題ということではなくて、いまや、きわめて全世界的な問題なのであります。

では、これら4点について敷衍させていただき、そして、そこから何が言えるのかということを、二つ三つ、お話しさせていただきたいと思います。

日本以外の主要経済大国が「日本化 Japanification 」しているとも称される、この〔経済の〕弱さというのは、――このような単語が使われているのは不幸なことではありますが、いまはとりあえず有用なものとしまして――きわめて重大であります。

ユーロ圏はいま大いに、1998年、1999年ごろの日本のように見えているのであります。経済の基礎条件 fundamentals 〔経済指標〕が似ているのです。労働年齢の人口は縮小しつつあります。投資のけん引役となる技術革新 Technological drivers of investment は、強力であるようには思われません。ただひたすら、弱さがずっと続いているように思われるのです。

欧州中央銀行は、非常に賢明な人物によって運営され、非常な効力を持っているのではありますけれども、インフレ目標を達成することができずにいます。

欧州経済が改善されたようにみえる時期がくることもあるのですが、その状況というのはまさに…。成長というのが…。ますます「長期的停滞 the secular stagnation 」という概念そのものに見えるようになってきているのです。マネーがジャブジャブなのに弱さが続いているのですから persistent weakness despite very easy money 。

アメリカ合衆国はマシに思われますし、ずっとうまくやってきました。とはいっても、それもいろいろな比較の中に置いて見なくてはなりません。雇用の増加は良好でしたが、生産量の伸びは大したものではありません。

我々〔米国〕へも弱さが入り込みつつあるのだという、いろいろな兆候があるのです。インフレは依然として目標値以下ですし、賃金も大して伸びはしてません。ということは、我々〔米国〕も絶好調とはとても言えないのです。その理由はすぐあとで説明いたします。よその国の問題によって我々の足が引っ張られるであろうと考えられる、一つの理由があるのです。

そして、さまざまな新興市場は、大いに問題を抱えています。とりわけ最大の新興市場がそうなのです。つまりあなた方のお隣の国です。中国は暴発寸前であると言われ…。何年にも渡って、調整が大きな問題となるであろうこと、非常に高い投資の…経済を支え続けることはできないであろうということが、周知のことでありました。彼らは、いまだこれに対処する方策を見いだしてはいません。中国の政策はそうとうに危なっかしいもの erratic に思われます。いま起きつつあることと併せて考えると、それはよい兆候ではないのです。

主要経済大国どうしの相互依存 interdependence は、私の意見では、極めて広範なものです。通常は、私やその他〔の経済学者〕の見解というのは、「相互依存性は限定的なものである。なぜなら、こんにちでさえ、国際的な取引の流量というのはそれほど大きくないからだ」というものです。今日でさえ、主要経済大国のそれぞれは、GDPのほんの数%を他国へと輸出しているにすぎないのです。ですが、投資家たちの認識 perception が「弱さがこれからも続きそうだ」という方へ傾くならば、そこからの影響はずっと大きなものとなるのです。

もしも、ユーロ圏の諸問題が、いまだけのものではなく、非常に長期間にわたるものになりそうだと考えられるようになったならば、ユーロ圏の金利はきわめて低くなります。長期債さえもです。いま現在、ドイツの十年国債の利率は約0.2%です。

これが何を意味するのかというと、どの国であれ、その経済が比較的に〔他国よりは〕強いとみなされたならば、その国は大量の資本の流入の受け手となりがちなのであり、それによって通貨は押し上げられるということです。そして通貨高は、その国の競争力を弱くして、〔経済の弱さという〕問題を分かち合うことになってしまうのです。

ドルが猛烈に上昇したのはご存知のことと思います。さほど好ましからざる経済状況にある国でさえ、自国が他国からの資本の流入の受け手となっていることや、財政拡大〔景気拡大?〕の努力 efforts to expand や、…掘り崩されていることを目の当たりにしているかもしれないのです。

ですから、我々の知るとおり、黒田氏があらゆる手を尽くされているにもかかわらず、日本円が上昇したことは――それは日本の視点からは非常に不幸な現象なのですけれども――、他の主要経済大国の弱さによって引き起こされたことなのです。

中国には特別な問題があります。大きな困難を抱えているのです。中国は〔世界経済の〕強さの源泉であるとみなされてきた一方で、つい最近までは――私が正しければ――通貨を安く抑える操作をしていると非難されてきました。ところがそれとは反対に、いまや中国は巨額の資本流出に直面しており、通貨を支えるために介入しています。2015年の資本逃避は約1兆ドルにも上ったと我々は推測しています。

中国は莫大な準備金を保有してはいますが、莫大と無限大は違います。どういう意味かというと、人民元の下落ということが現実味のある見通しとなり、そうなれば我々みんなの生活に困難が降り掛かってくるということです。このように、相互依存性のすべてがここにあるのです。

金融政策というのが、ほとんどの国で、「不本意ながら唯一の可能な手段 the only game in town 」となってしまっています。財政政策は政治のせいで麻痺してしまっているから、というのが彼らの口癖です。

ここ日本では、さほどそういうことはないのですが、それでもやはり、「3本の矢〔金融政策、財政政策、成長戦略〕」のうち圧倒的に最大のものは、これまでのところは金融政策でした。黒田氏はこの重責の大部分を遂行なさいました。

我々が目の当たりにしつつあるのは、金融政策の限界です。

非伝統的な手法を試みるとき、我々はそれを議論することができますが…。効果はだんだんと小さくなり、困難なものとなることを、我々は知りつつあるのです。

マイナス金利についてですが、これが可能であると判明したのは注目すべきことです。私はまさしく、これは正しい動きであったと考えますが、しかし、これをさらに推し進めてゆくことは非常に難しいのです。マイナス金利の影響は限定的なものであることが明らかになりつつあるからです。

他の国にも目を向けてみましょう。ヨーロッパにも非常に有能で本質的なバンカー〔マリオ・ドラギ〕がいるのですが、にもかからずECB〔欧州中央銀行〕は牽引力を失いつつあるように思われます。ここ日本でも、私よりもみなさんがご存知の通り、インフレ期待は後退しつつあるように思われます。賃金上昇も、あるべき数値より低いのです。

我々は、世界的な弱さへの対処の試みとなるべき、最大のテコ principal lever たる政策が、我々が希望していたほどの効力を持っていなかったことを目の当たりにしつつあるのです。それどころか、ひょっとしたら、このところ発揮しているように見えた効果さえも実は持っていないのかもしれないということを目の当たりにしているのです。

では財政政策についてです。

過去7年間に我々が目にしたことのすべてが、財政政策は有効であり続けたことを示しています。それも、こうした状況のなかではとりわけ有効なのです。これを採用するのは非常に難しいことであります。数年間は不良債権を抱えることになり、政治的な対立があり、ヨーロッパは国ごとに分断されており、アメリカは政党間の分断があり…。それでも、財政政策は有効であり、目下の世界的な状況こそはまさに、諸国の経済が本当に、本当に財政の支援を必要としているときなのです。

財政による支援よりも、長期的な予算問題を優先すべし、という考えは、今は極めて見当違いなものと私には思われます。私が申し上げておりますのは、言うまでもなく、消費税のことであります。

これら全てのことがらから、2つのことを言うことができます。

〔その一つ目は、〕私が構造改革 structural reform について何も申し上げなかったことにお気づきかと存じます。私が構造改革に反対であるからというわけではありません。そうではないのですが、需要を押し上げる boosting demand という最重要課題 critical issue からはだいぶ的を外れたものと考えられるからなのです。

ある種の構造改革は民間投資に拍車をかけることもあるかもしれません。それはよいのですが、多くの場合はそこに重点があるわけではないのです。

また他の種類のいろいろな改革、つまりアベノミクスですが、将来の労働力を拡大することは、経済が直面している人口動態的な逆風を相殺する助けにはなります。

ですから、そうしたことの全ては良いことなのですが、私がたいへんに心配しているのは、構造改革の話は、ときに、第一に差し迫った問題に対処しないための口実になることがあるということです。第一に差し迫った問題とは、十分な需要、デフレや低インフレとの戦い、不十分なインフレとの戦いといった、金融政策にかかわるものなのです。

しかし、私が申し上げましたように、それ〔金融政策〕には限界があるのですから、財政政策の面で、この差し迫った必要に、いままでよりももっと焦点を当てる必要があるのです。

そして最後の一点となりますが、これは非常に大事な点です。なにかと申しますと、この状況下では「リスクが非対称である the risks are asymmetric 」ということを理解するのがきわめて重要である、と論じさせていただきたいのです。

私が悲観的すぎるだけであって、いろんなことがうまくいって、需要はもっと強くなり、自然に回復する、ということだってありえなくはありません。〔しかしその反対に、〕私が描写したよりもさらに事態が悪化するということだってありえなくはないのです。中国が爆発的な崩壊をするとか、ただ単純に需要が私のかなり陰気な予測よりもさらに弱くなる、とかいったふうにです。

この2つの状況〔良い方か悪い方か〕では、運命 consequenses はまったく異なるものとなってしまいます。もし世界経済が成長を始めてインフレ率が上昇したならば、我々は何をすべきかわかっています。黒田氏も、イエレン氏も、ドラギ氏も、それに対処する手段を持っていることでしょう。なんら問題はありません。〔しかしその反対に、〕もし世界がもっと弱いことが明らかになったならば、我々は深刻なトラブルに陥っていることになります。というのも、そのとき我々は有効な手段を持っていないからです。

これが何を意味するかというと、もし間違うならば、財政拡大的すぎた more expansionary という方へ間違うことが非常に大事だということです。

私の古くからの同僚であるラリー・サマーズがよくしていた議論があるのですが、それを私も述べさせていただきたいのです。〔つまり、〕何が起きるだろうかと予測することだけが大事なのではなくて、どう予測するにせよ、予測が間違っていたら何が起きてしまうのか、ということが大事なのです。かりに事態が悪い方へ転んだ場合にも、それに対処する余地があるということが、非常に、非常に重要なことなのです。

ですから、いまは財政拡大をすべきときなのです this is the time for expantion 。できるかぎり協調的 coordinated であるべきです。G7が近づいていることは存じ上げています。理想は、みんなが強調的な財政拡大政策 fiscal expansion について合意することですが、実際にはそれは日本とカナダということになるかもしれません。それ以外の誰かに今の時点で実行の用意があるかどうか、私にはわかりません。ですが、議論 the language 〔声明?〕をその方向へ押し進めるよう試みることはできるはずです。

日本こそまさに集中しつづける必要があります。アベノミクスの最初からの諸目標が今でも最重要 primal なのです。デフレのサイクルから脱出することが「最重要目標 Goal Number 1」なのです。他の全てはそれを待たねばなりません。

れでは以上をもって、討論へと供したく存じます I will throw it open 。ありがとうございます。

 

(司会) クルーグマン教授、ありがとうございました。討論のための時間を十分に残していただきました。それではここからは、討論へと移っていただきたいと思います。

 

(安倍首相) クルーグマン教授には、二年ほど前にもお目にかかったのでした。当時、日本がデフレから抜け出すために、私たち自身で2%というインフレ目標を設定したのでした。

そのとき私たちがお話ししましたのは、ロケットは大気圏の外に出なくてはならない、ということでした。つまり、日本経済をデフレから脱却させ浮上させるための脱出速度 escape velocity を獲得する必要があり、私たちはそのための十分な速度を求めているのだと。それが私たちの話し合った最重要課題の一つでした。

これからは hence 〔そのようなわけで?〕、日本以外の世界は財政支出 fiscal spending について考えてきましたし、日本もまた、協調的な仕方で財政支出を対等なものにするべきです。私たちはそれについて話し合ってきました。

しかし私たちは、累積債務を懸念しています。それがもう一つの不安の源となっています。これについてはどうすべきでしょうか? とはいえ、黒田総裁はマイナス金利の導入という政策を採り、日本の10年国債は目下マイナス金利に転じています。ですから、私たちはこの状況を利用して、日本は財政支出を用意すべきである、と。これが今、日本のなかで、一部の人々が言っていることです。これについて何か見解をお持ちでしょうか? この点をみてどう思われるでしょうか?

 

 

(クルーグマン教授) まさしくその通りです very much so 。債務があろうとも今こそ支出をという主張は、たいへん強力なものです。これは複数の理由から真なのであります。

第1に、財政による刺激策は、デフレ脱却の金融政策への一助として非常に重要です。金融一本でやるのは難しいということを、我々は目の当たりにしてきたのです。

第2に、金利が非常に低い。低いどころか、日本における実質金利は、非常に長期の債券にいたるまでマイナスです。引き受けられるべき支出があるのです。ある企業 a buisiness が、非常に低い借入コストと、実物への投資 real investment の機会に直面したならば、「これはまさに支出の好機である」と考えることでしょう。これは日本〔という国〕にだって当てはまるのです。

第3に私が指摘したいのは、債務についての懸念という点です。私はこれをただ無視しようというのではありませんが、我々が日本のみならず他の先進国からも学んだことがあります。それは、安定した先進国が自国通貨で借入をしたならば、財政危機に至るまでは非常に長い道のりがある、ということです。

人々は2000年ごろから、日本国債が下落するほうへの賭け〔日本国債の空売りなど〕をしてきました。その人たちはみな、ひどい損失を被りました。市場〔国債市場〕の頑健性 robustness は非常に強いのです。そういう〔日本国債暴落という〕シナリオを描くのさえ難しいのです It is even hard to tell a story 。

もし誰かが「日本はギリシャみたいになる」と言ったならば、「どうしたらそうなるの」と聞き返すのみです tell me how that happens 。日本は自国通貨を持っているのです。起こりうる最悪のことといえば、円が下落 depreciate するかもしれないというですが、それは日本の視点からはよいことなのです。私としましては、心配すべきことではないと考えます。

最後に、長期的な財政状態への懸念という点についてです。デフレ、あるいは不十分なインフレから起こる問題の一つに、少なくとも、日本の実質金利 real interest rates は高すぎるのだということがあります。そこから脱出する方法は、持続的なプラスのインフレ率を達成すること to get a sustained positive inflation rate です。

みなさんがご存知のように、私は2%以上であるべきだと考えます。その数字が2であるべきかどうかは別にして、ともかくそれ〔プラスのインフレ率〕を達成する必要があります。この目標と比較するならば、今後2、3年の財政バランス fiscal balance がどうであるかというのは、ずっと重要性が低いのです。

それどころか、いま現在が低金利であるということは、次のことを意味します。つまり、将来の〔財政〕状態の負担 weight ――それはデフレ脱却に掛かっているわけですが――というのは、現在の予算とくらべてずっと高いものになるということです。

私に言わせていただけますなら、いまは財政バランスを心配すべきときではないのです。

 

(司会) ありがとうございました。財務相、どうぞ。

 

(麻生財務大臣) 私の知るところでは、1930年代のアメリカも同様にデフレという状況でありました。そしてニューディール政策が当時のルーズベルト大統領によって導入されました。その結果、それは申し分のない効果を発揮したのですが、それにまつわる最大の問題としまして、起業家たちや経営者たちが長期にわたって、貸出を受けて設備投資するということをしなくなった、ということがあります。それは1930年代の終わりまで続きました。日本でもその状況が起きているのです。

日本企業の稼ぎだす収益は過去最高に達しているのですが、しかし彼らは、それを設備投資へ支出しようとはしていません。日本は、企業という部分では大きな収益が手元にあるのです。それは賃金上昇や、配当や、設備投資に使われるべきなのですが、企業はそれをしていません。

現金や預金を手放そうとはしないのです。内部留保は積み上がる一方です。1930年代のアメリカも同様の状況が起きたのです。 この問題を打開したのは何だったのでしょうか? 戦争です! 第二次世界大戦が1940年代に起こり、それが米国にとっての解決策となりました。

では、日本の企業家たちを見てみましょう。彼らはデフレマインド delfationary mindset に捕らわれています。マインドを切り替えて設備投資を始めるべきなのです。我々が求めているのはそのキッカケです。それが最大の懸案なのです。

 

(クルーグマン教授) 第二次世界大戦ということをマクロ経済学的な視点からみるならば、そのもっとも重要な点は、それが非常に大きな財政刺激策 fiscal stimulus であったということです。それが戦争であったという事実は非常に不幸なことであるのですけれども。しかし単純に言って、その戦争は財政刺激策となったし、他の方法ではそうならなかったということなのです。

それどころか、1930年代に起きたのはこういうことだったのです。つまり、ニューディール政策において、ルーズベルト大統領は財政刺激策を1937年に引っ込めます。なぜかというと、現在とおなじく、予算をバランスさせよという声が多数だったからです。それは恐ろしい過ちでした。不況の大きな第二波を引き起こしたのです。

言うまでもなく、我々が求めているのは、戦争ではなしにそのようなことを達成するということです。

日本の民間部門における賃金を上げさせるためのインセンティブとして、これまでなされてきたであろう道徳的な呼びかけ以上の手段を用いようという話が、盛んになされてきました。私は、なにが有効なのかという制度設計上の詳細についての知識はないものの、そうした手段を試みることには確かに賛同するものであります。それは一つ起こりうることであります。

〔しかし、〕そうした手段を別にしますと、企業の収益と企業の投資とのあいだの結びつきというものは、これまでもつねに弱いものでした。生産能力を拡大すべき理由を見出さないかぎりは企業はそうしないのですから、「高収益な企業は投資をすべきであると期待してもいい」ということは、今までもなかったのであります。

そしていま起きているのは、彼らがデフレマインドを持っているということです。日本の成長は弱いだろうと、彼らは考えているのです。賃金の振る舞いを見れば明らかなことですが、彼ら〔企業〕は、日本が非常に低い〔低インフレ、または〕、マイナスのインフレ〔つまりデフレ〕へと逆戻りするであろうと予測している――あるいは少なくともそういう恐れを抱いている――のです。

脱却するための衝撃 a shock to break that ということが、今もなお必要なのです。脱出速度 escaping velocity です。 「やり過ぎるくらいやる archieving enough ことによって脱出速度を得る」ということで私が言いたかったことの一部がこれなのです。ロケットが地上に逆戻りしないための十分な速さという意味での脱出速度です。

 

(安倍首相) 日本について申し上げますと、2014年に、消費税が5%から8%に引き上げられました。それにともなう駆け込み需要がありました。そのすぐ後には、消費を落ち込ませる効果を目の当たりにすることとなりました。今もなおその影響が尾を引いています。

私たちは、消費税をさらに引き上げることを考えていますが、一年半の延期がなされています。しかしヨーロッパの場合、VAT〔付加価値税〕の引き上げは、日本ほど大きな影響はありませんでした。なぜ日本ではこれほど大きな影響があったのでしょうか? それはデフレが20年ものあいだ続いたからです。その上、今はもはやデフレ的な状況ではない not a deflation situation anymore とはいえ、私たちはデフレから完全に脱却してはいない のです。

このような状況に私たちが捕らわれているのは、これが理由だとお考えになりますか?

 

(クルーグマン教授) VATの引き上げが、なぜ日本の回復をこれほど大きく阻害したのか、私にはよくわかりません。

大衆が「政策が財政拡大的 expansionary ではなくなるかもしれない」というしるしと捉えた、つまり「一連のあらゆる財政拡大的な政策 expansionary measure が中断 break された」と考えたせいかもしれません。しかしそれは私にはわかりません。あえて申しますと、なぜ需要を上昇させるのが難しいのかというと、おそらくは、まさに日本の経済の基礎条件のなかに何らかの理由がある fundamental reasons のです。人口動態 demography は飛び抜けて好ましからざるものですし、労働年齢人口はいまや毎年1%以上も縮小しています。

いまや、ヨーロッパも〔日本と〕同じ方向に動いていますし、米国においてさえ、我々は、労働年齢人口の成長が急速に低下するのを目の当たりにしました。ですが、日本がなぜ特別な困難を抱えているのかということには理由があるのです。日本がこの状況に陥ったのが1990年代であり、その他の諸国は2008年まではそうならなかった、ということには本質的な理由があるのです。

しかしそれは、対処法がないということを意味するものではありません。それが意味するのは、ひとえに、そこから脱却するためには極めて精力的な、持続的で積極的な諸政策が必要とされるということなのです。

 

(男性1) 財政刺激策についてですが、G7諸国のなかには、財政刺激策をとる政策余地 policy space を十分にもつ国がいくつかあります。ドイツ、米国、英国といった国です。しかし、あなたが仰ったとおり、それらの国のどこも、今後数カ月先といった範囲では、大きな刺激策を実施することはありそうにないのです。十分な財政余地 fiscal space を持つそうした国々でのさらなる刺激策のためには、我々はどのように主張すべきだと思いますか?

 

(クルーグマン教授) そうした主張をするのは非常に難しいでしょう。ドイツの場合、彼らはまったく別の知的宇宙 a different intellectual universe に住んでいるのですから、それについて話をするのは非常に難しい。

米国の場合、オバマ大統領はインフラ支出の増大を好んでいることを私は断言いたします。それどころか、経済学者たちの会議の冒頭でオバマ大統領はこう口火を切ったことさえあるのです。「みなさんのアイデアをお聞きしたい。インフラに一兆ドル支出するべきだなんて言わないでくれよ。私もそう思うけど、議会を通すことができないからな」と。つまり米国の問題はそういうことです。

それでも、そうした〔財政支出せよという〕主張は、最低でも、財政引き締めへの圧力を鈍らせることはできると信じるべきです。国々のあいだにも説得ということの役割はあります。私が言いたいのは、通念 conventional wisdom というのは――いうなれば政策担当者たちのコミュニティ policy community の気分というのは――、刺激策という主張の方へふたたび目を向けつつあるのであり、そちらの方向へとさらに動かすことは可能かもしれないということです。

私自身の国〔米国〕について言えば、大統領選が迫っており、なにか本当にひどいことが起こりかねません。しかしそれとは逆に、今年の終わりには、今の議会よりもずっと議事進行妨害的 obstructionist ではないような議会を得ているということも、大いにありうるのです。ですから米国は、マクロ経済的な政策について、より希望の持てるパートナーであるかもしれません。 私自身はまさにそう希望いたします。

 

(菅官房長官) 資源価格の低下があり、途上国はとりわけ大きな打撃を受けました。商品価格の下落からくる衝撃について、なにか見通しをお持ちでしょうか? どんな影響を経済へ与えるかとお尋ねしてもよろしいでしょうか?

 

(クルーグマン教授) いくつかの新興市場は深刻な衝撃を受けました。興味深いのは、最も重要で最も大きな新興市場、つまり中国は、資源輸入国であるということです。ですから、中国にとって全体としては実は好ましいことなのですが、ブラジルとアフリカにとっては深刻な影響があります。

多くの人びとに関わることがらですから重要なお話ではありますが、先進国への経済的な逆流という点では、今ひとつ明らかではありません。地政学的な心配をすべきかもしれません。

一つ、好ましからざるサプライズがありました。かつて、原油価格の下落は〔経済にとって〕好ましいことであると考えられていましたが、そうではなかったということです。少なくとも、我々が考えていたほどには好ましいことではなかったのです。

その理由は、原油価格をこれほど押し下げた理由そのものと、大いに関係しています。つまり「水圧破砕法 fracking 」の大流行です。とりわけ米国においてはエネルギーが重要な投資セクターですので、原油価格の下落は消費を促すのではありますが、投資へは打撃を与えます。そのせいで、かつてほどは好ましいことではないのです。

しかしながら、私の考えはこうです。資源価格の下落は、地政学的な展開を理解するという視点からは大ごとであり、世界の多数の人々にとって非常に重要なことであるのですが、我々が直面している先進諸国の問題としては、そこまで大きなものではない。先進国で問題となっているのは需要の問題だからです。つまりこういうことです。資源価格に起きたことはショックではあるけれども、我々の経済に吹き付ける下降気流はそこからきているのではない、と。

 

(安倍首相) では、EUについてです。ヨーロッパという共同体について、悲観的な見解の人々がいます。EUは単一の通貨〔ユーロ〕を持っていますが、そのせいでギリシャ問題が起きました。

そうした国の政策に対して、他の国々は、限られた選択肢しか持っていなかったのです。ギリシャ問題は、経済の基礎構造からして fundamentally 、EU内部で繰り返される persist と考える人たちもいます。この状況をどのように見られますか。

 

(クルーグマン教授) 非常に深刻な問題であり、解決されていません。ユーロは、ギリシャだけでなくもっと大きな国々にとっても、大きな制約 constraint となっています。

フランスには緩和する財政余地があったかもしれないのです。本当は大変なことではないのですが、ユーロのせいで、動くための能力や強さを持っていないように思われるのです。そうできたはずなのに、ずっと難しくなっているとさえ言いたくなります。

もしフランスが自国通貨を持っていたら問題はありませんでした。フランスであれば、ドイツよりも30ベーシスポイントかそこら高いだけの金利で借入ができます。彼らは、資金調達の難しい国なのではなくて、ユーロという制約のせいで動くことができないのです。

まさにこの点については、あなた方〔日本〕はずっと強い立場にあります。

私の考えでは、ヨーロッパの問題は、ユーロの問題を超えたところに行ってしまいました。いまやヨーロッパでは、難民危機が、経済問題を背景へ追いやってしまったのです。シェンゲン協定、開かれた国境といったことがらにも危機を及ぼしています。

これはある面では、ユーロの問題にも類似しています。ヨーロッパというプロジェクトのほころびなのです。彼らは、非常に開かれた統合システムを創ったにもかかわらず、それを有効なものとするべき諸制度を用意しませんでした。そのためヨーロッパは、かなり麻痺したものとなり、我々みんなの問題を一つ増やしてしまったのです。

事実上、ヨーロッパの政策におけるただ一人の効力あるプレーヤーは、ヨーロッパ中央銀行のマリオ・ドラギです。彼は非常によいプレーヤーですが、本当にはどの政府も背景となっているわけではないので、限られた射程しか持っていないのです。

最後にもうひとつだけ、懸念すべき事柄として申し上げるべきかと存じます。二ヶ月後には、イギリスがEUを去る方へと投票が決するということは、大いに可能性があります。これは不確実性を大きくするものであり、世界経済の足をさらに引っ張ります。

もし、G7のメンバーのうち、誰が本当に有効に動くことができて、かつ頭脳明晰であるように思われるかを言うとするならば、現在のところ、それは日本とカナダである、と私は考えます。

米国はそのトップに素晴らしいリーダーシップを持ってはいますが、狂った議会のせいで難儀しています we have a crazy congress, so it makes life difficult 。

 

(司会) 会合メンバーから他の質問はないでしょうか? 首相はいかがでしょうか?

 

(安倍首相) G7のころには、私たちが状況をどう分析するか、これから徹底した議論をしなくてはならないのは、もちろんであります。クルーグマン教授、国際社会は、財政余地 fiscal space 〔財政支出 fiscal spend のミスタイプ?〕において協調すべきであり、それが可能である国は財政的に支出をする。このメッセージは非常に重要です。これが教授のメッセージの本質となるかと、私は考えますし、私はあなたのメッセージに賛成するものです。

ですから、我々は他の国々と協調し、協力することでしょう。もちろん、国によって問題は様々であり、状況は異なります。

結局のところ――これはオフレコですが this is off the record ――、ドイツは、財政的な機動性において、最も大きな余地を有しています。これから私は、ドイツを訪問することを計画しています。私は彼らと話し、さらなる財政出勤 fiscal mobilization のための政策について、いかにして共に歩むか、説得しなくてはならないでしょう。あなたから何かアイデアはないでしょうか?

 

(クルーグマン教授) それは難しいことであり、またこれも言わせていただきたいのですが、メルケル議長もまた、他の諸問題にすっかり気を取られています。そちらの方でも彼女は非常に有能なのですが、どうしようもなく困難な状況なのです。

私がもう一つ、触れるべきであった事柄があります。少なくとも、この領域では、合意可能な形 accessible form での刺激策を手に入れるか、少なくとも提起することがありうるのです。つまり気候環境政策 climate policy という領域です。ある意味では、これ以上に重要な問題など何もないということに加えて、先進世界の全域におけるグリーン・テクノロジーへの移行という、民間投資のインセンティブでありうるのです。

少なくとも、もしかしたら、前に進むことが望ましいとの声明を…。我々はパリ協定 Paris ACCORD を持っていますし、その線で何かを起こすことができるのかもしれません。もっとよいご提案ができればよいのにと残念に思います。見事な外交術というのは、私の専門とするところではないものですから。

 

(安倍首相) たしかに、気候環境政策というのは、民間投資を刺激する一つの領域でありえます。ですから我々は、その線についても議論いたしたいと思います。たとえばですが、ドイツは、難民問題のために…。たとえば難民のための住宅投資や、難民のための教育投資というのは、財政政策という観点からは有効なものとお考えになりますか?

 

(クルーグマン教授) はい。それは刺激策となります。〔しかし、〕もし実際にコストを見積もってみたならば、あまり大きなものとはならないと思います。難民問題は、社会的な不安のせいでとてつもない緊張を生み出すのですが、こう言ってもよいものならば、難民の面倒を見ることは、大きな財政刺激策となるほどのコストは実際にはかからないのです――なんだか奇妙な台詞ですが――。瑣末な金額というわけではありませんが、そこまで大きくならない。

我々がこれ〔難民問題〕を目の当たりにしたとき、〔フランスの〕オランド大統領は、「この危機に対応するため、我々は財政規律を緩めるべきだ」と発言していました。しばらくの間、我々はみな、これは緊縮財政 austerity の終わりを告げるものではないかということで、一種の興奮を覚えました。ところが、重要な方針転換 major departure となるほどに大きな数字は出てこなかったのです。

戦争と並ぶほどの財政〔支出〕を探し求めるなら、それは難民問題ではありません。難民問題は、甚大な社会的、政治的な緊張ではありますが、金額という面ではそこまでのものではないのです。

 

(司会) クルーグマン教授、ありがとうございました。今日いただきました貴重なご助言に感謝いたします。事務局の方、我々はこのあとすぐに記者会見を行います。ご了承いただければと思います。当然ながら、総理が仰ったことは機密扱いとなります what was mentioned by Prime Minister will remain confidential 。ありがとうございます。お越しいただいたみなさまに感謝申し上げます。

平成28年度山梨県議2月定例議会知事趣旨説明

平成二十八年二月定例県議会の開会に当たり、提出致しました案件のうち、主なるものにつきまして、その概要を御説明申し上げますとともに、私の所信の一端を申し述べ、議員各位並びに県民の皆様の御理解と御協力をお願いしたいと存じます。
 私は、昨年二月十七日に知事に就任し、本日でちょうど一年が経過致しました。
 この間、全ての県民の皆様が明るく希望に満ち安心して暮らせる「輝き あんしん プラチナ社会」の実現に向けて、全力疾走して参りました。
 この一年間、改めて私は県下全域を歩き、多様な職業の方々とお話しする中で、男女を問わず多くの県民の方々が、自らの仕事を全力で全うし、その傍ら自治会活動や消防団活動等を通じ自らの地域を守るとともに、ボランティア活動を通じ世代や地域を越え助け合うなど、各々の立場で最大限努力されていることを目の当たりにしました。
 また、小・中・高校生をはじめとする若い世代の方々との交流においては、彼らが自らのことばかりでなく、「笑顔のあいさつ運動」「アフリカ救援米活動」「道路のゴミ拾い活動」など学校全体や地域のことを真剣に考えて行動している姿に感銘しました。
 更に、大村智先生からは、「人の役に立つ」という今なお変わらぬ想い、熱意に勇気づけられました。
 また、国内外でトップセールスを実施する中で、改めて私自身、外からふるさと山梨を見ることにより、本県の持つ地域資源は国内はもちろん世界でも十分通用するという確かな手応えを掴む一方で、海外はもとより国内においても山梨の魅力が十分に伝わっていないことを痛感し、情報発信の重要性を実感したところであります。
 全国では、地方創生の動きが加速化し、自治体間競争も激しさを増しておりますが、今後も、こうした本県の魅力に更に磨きをかけ、情報発信力を高めていくことで、地域間競争に勝ち抜いていくことができる山梨であると信じています。
 県政運営においては、議員各位並びに県民の皆様の叱咤激励をいただく中、明るく元気な山梨づくりに向け、果敢に挑戦して参りました。
 先ず、県民の皆様とお約束した公約について、就任後から本年度六月補正予算までの間に、その全てに着手致しました。
 その後、直ちに実現できるものから優先的に取り組み、県外からの進出企業や経営拡大する企業などに安価な電力を供給するやまなしパワーの導入、本社機能の移転や事業拡張を行う事業者が国税や地方税の優遇措置など様々な支援が受けられる地域再生計画や、地域限定特例通訳案内士の育成に係る構造改革特別区域計画の認可、本県独自の被災者生活再建支援制度の創設等の施策を実現して参りました。
 更に、県政運営の新たな指針である「ダイナミックやまなし総合計画」や、「山梨県まち・ひと・しごと創生総合戦略」をはじめとする県政各分野にわたる部門計画を策定し、これからの本県の進むべき方向性をお示しするとともに、「輝き あんしん プラチナ社会」の実現のための地域間、産業間の連携の強化や、県民総参加の取り組みによる総合力の強化の必要性を訴えてきたところであります。
 この想いは、全ての県職員の間で共有されており、新たな施策、事業に生かされるとともに、地域、産業界の方々にも着実に伝わってきていることを実感しております。
 明年度は、総合計画をはじめとする各種計画を本格的に実行に移すこととなる初年度であります。
 計画に掲げた高い目標を実現していくためには、市町村や産業界、民間団体など、多様な実施主体との合意形成や、厳しい財政状況下における財源確保など、多くの困難が伴いますが、今後とも、ふるさと山梨の発展に全身全霊を傾け取り組んで参ります。
 また、県内景気は緩やかに回復しつつあり、昨年十二月の有効求人倍率が一・〇九倍と、三箇月連続で一倍を超えるなど、雇用情勢も改善してきておりますが、正規雇用の求人倍率は〇・五九倍と依然として低い状況にあるなど、未だ大都市と比較すると厳しい経済情勢にあります。
 更に、最近では海外経済の悪化懸念や、為替相場、株式市場の不透明感が増し、我が国を取り巻く経済情勢は予断を許さない状況になっています。
 このため、今後も、本県の経済状況を的確に見極め、その課題解決に向けて、強力に施策を推し進めて参ります。
 次に、当面する県政の課題について申し上げます。
 昨年の本県にとって最も喜ばしい出来事は、大村智先生のノーベル生理学・医学賞の受賞でありました。
 このため、昨年十二月に、県議会の御同意をいただく中で「山梨県名誉県民」の称号を贈り、永く県民の敬愛の対象として顕彰することとしたところであります。
 来月十八日に、名誉県民の顕彰式を行うこととし、併せてノーベル賞受賞をお祝いする会や、記念講演等の行事も開催して参ります。
 先生は、何事を行うにしても、先ずは教育・人材育成を心掛けるべきとのお考えをお持ちであり、山梨科学アカデミーの活動などを通じて、本県の未来を担う青少年の育成等に多大な御貢献をいただいて参りました。
 県と致しましても、総合戦略において基本目標に位置付けている人材育成を一層加速化させて参りたいと考えております。
 先ず、大村智人材育成基金の創設についてであります。
 若い世代の科学、芸術等に対する理解と関心を一層深め、その豊かな感性を養い、創造性を培うことにより、次代を担う人材を育成するため、大村智人材育成基金を創設することとし、県内の高校生等の海外留学や、優秀な若手研究者が行う研究に対する支援を強化して参ります。
 この基金事業により、夢ある若者が勇気と希望を持ち、第二、第三の大村先生が誕生することを願っております。
 次に、産業人材の育成と確保についてであります。
 本県の基幹産業である機械・電子産業を成長・発展させていくためには、即戦力となる人材を育成し、供給していくことが重要であります。
 このため、県内企業に対して実施したニーズ調査等を踏まえ、産業人材の育成・供給の強化策について、産業界の代表や教育関係者からなる検討委員会で御議論をいただいたところであります。
 その結果、技術系人材の中でも特に不足感の強い、生産工程の設計などを担うことができる人材の育成については、工業系高校に二年制の専攻科を設置することにより、高校の三年間と合わせた五年間のより高度な専門教育を一貫して行うことが必要、との報告をいただきました。
 この報告につきましては、産業界からもこれを尊重し、専攻科を早期に実現するよう強い要請をいただいておりますとともに、検討委員会の保護者代表をはじめ、生徒、保護者の方々からも専攻科への期待が寄せられております。
 こうしたことを踏まえ検討した結果、産業界からのニーズに早期に応えるため、企業数が多い県中央部にあり、企業との連携がしやすく、生徒の通学の利便性も高いことや、これまで県内に多くの産業人材を輩出しているという実績のある甲府工業高校に全日制の専攻科を設置して参りたいと考えております。
 また、可能な限り早期に設置するため、平成二十九年度に高校に入学する生徒から五年間の一貫した専門教育が受けられるよう、平成三十二年四月の設置を目指すこととし、明年度、産業界の代表者も加えた会議を開催し、専攻科の教育内容等について検討して参ります。
 また、検討委員会からは、このほかに、産業人材の育成・供給に関して二点の提言をいただいております。
 先ず、産業技術短期大学校の定員に満たない状況が続いているという課題につきましては、産業界のニーズを踏まえたカリキュラム編成など教育内容の更なる充実や、卒業生に対する企業からの高い評価や就職率百パーセントであることなど、産業技術短期大学校の魅力のPRなどを積極的に行って参りたいと考えております。
 更に、大学生の県内就職につきましても、山梨大学で実施している地域産業リーダー養成プログラムに加え、ものづくり人材就業支援基金の創設などにより、強力に推し進めて参ります。
 次に、グローバル人材の育成についてであります。
 本県が、人口減少や超高齢化の進行等の大きな変化に対応していくためには、創造的で活力ある若い世代の育成が急務であり、とりわけ、グローバル化が加速する中にあっては、国際的な視野、柔軟な知性などを兼ね備えたグローバル人材を継続的に育てていく必要があります。
 また、こうしたグローバル人材の育成には、海外の大学への入学資格が得られることに加え、近年、国内の大学においても、その資格を活用した入学試験が実施されている国際バカロレアの教育プログラムが有効であります。
 本県におきましても、その導入について、これまで検討してきたところでありますが、この度、国の導入拡大の方針や、国内の主要な大学における入学試験での利用拡大の動きなどを踏まえ、県立高校に国際バカロレア課程を導入することと致しました。
 明年度は、検討委員会を設置し、教育課程の編成や、指導者の育成等の検討を進めながら導入校を決定し、年度末の国際バカロレア機構への候補校申請、平成三十二年四月の国際バカロレア課程の導入を目指して参ります。
 次に、高度医療の導入についてであります。
 県民の皆様が安心して健やかに生活していくためには、県内において高度な医療が提供できる環境を創り、山梨県全体の医療水準の底上げを図ることが必要であります。
 このため、本県における適切で効果的な高度医療の在り方について、県内医療関係者による検討委員会で御議論をいただいたところであります。
 その結果、重粒子線治療については、国の先進医療会議において前立腺がんなど多くのがんで既存治療との優位性が示されず、引き続き検討が必要となったことや、放射線医学総合研究所において治療装置の超小型化が計画されていることから、引き続き、こうした動向を把握していくことが必要との報告をいただきました。
 この報告を踏まえ、重粒子線治療については、明年度以降も引き続き、調査・検討を進めて参りたいと考えております。
 また、子どもの発達障害については、本県の十八歳以下の子どものうち、約一万人が発達に問題のある可能性があり、約一千八百人が医師の適切な診療を受ける必要があるとの推計があります。
 こうした県内における発達障害に対する医療ニーズの急増に対応するため、医療提供体制の強化が必要なこと等の報告をいただきました。
 県民の皆様からは、安心して子どもを産み、育てられる環境の整備を求める多くの声を、発達障害児の団体の方々からは、こころの発達総合支援センターの初診、相談が、現在、ともに三箇月待ちとなっている状況の改善など、支援体制の充実強化の要望を強くいただいております。
 子育て支援は、県政の最重要課題であり、子どもの心の発達に不安を持つ皆様の安心の拠り所となる高度で先進的な医療センターの整備に早急に取り組んで参りたいと考えております。
 具体的には、現在、福祉プラザにある、こころの発達総合支援センターを移転し、今後、更に効果的な治療を行うため、より高度で精密な診断技術を導入し、症状の原因を判断するなど、充実強化を図って参ります。
 また、子どもの心の発達障害等の治療には、入所や通所による診療や生活、教育といった生活全般を通じた治療が効果的であることから、こうした機能を持つ新たな施設を整備し、こころの発達総合支援センターの機能と相乗効果を図ることにより、全国に先んじた高度な医療提供体制をできる限り早期に構築して参ります。
 このため、明年度は、医療関係者や有識者等による会議を設置し、秋頃を目途に発達障害の総合的な支援に向けた基本構想を策定して参ります。
 次に、総合球技場の整備についてであります。
 総合球技場は、全国規模のスポーツ大会等の会場となって、県民に夢と感動を与える場になるとともに、交流人口の拡大や地域経済への波及効果を創出し、今後、スポーツ振興のみならず地域振興を図る上で、重要な役割を果たすものと期待されるものであります。
 また、これまでに、十万人近い県民の皆様から、総合球技場の整備を求める署名が県に提出されているところでもあります。
 更に、過日開催された高校生との意見交換会においては、高校生からも総合球技場に対する熱い想いを直接伺ったところであります。
 こうした総合球技場整備による波及効果や県民の皆様の声の高まりを踏まえ、明年度は、総合球技場を整備することを前提として、検討委員会を設置し、施設の機能・規模、建設場所、運営方法等の検討に着手して参ります。
 また、建設場所については、総合球技場の機能が最大限に発揮できるよう、交通の利便性が高く、また、本県を象徴する地域となる、小瀬スポーツ公園周辺を含めた、リニア駅の近郊への整備を目指すこととし、リニア環境未来都市における施設として、位置付けて参りたいと考えております。
 次に、平成二十八年度当初予算の編成に当たりまして、その基本的な考え方を申し上げます。
 明年度の本県財政は、歳入面では、実質県税総額は本年度六月現計予算とほぼ同程度となるものの、実質交付税は国における地方交付税の算定上大幅な減少が見込まれ、一般財源の総額としては、本年度と比べ六十九億円余、二・三パーセントの減となっております。
 一方、歳出面では、介護保険・高齢者医療費等の社会保障関係費や公債費等の義務的経費の増加が避けられないこと、県立学校の改築整備など、先送りすることのできない大規模事業も実施しなければならないことに加え、「ダイナミックやまなし総合計画」に位置付けた施策については、積極的に予算計上する必要があります。
 このため、明年度の予算編成に当たっては、歳出全般にわたって徹底した見直しを図り、限られた財源の重点的、効率的な配分に努めたところでありますが、一般財源は、なお大幅に不足することから、財源対策として百六十億円の基金を取り崩すことと致しております。
 次に、平成二十八年度当初予算案並びに平成二十七年度二月補正予算案のうち主なるものにつきまして、「ダイナミックやまなしプロジェクト」に基づく六項目に沿って、御説明申し上げます。
 その第一は、「やまなし創生推進プロジェクト」についての施策であります。
 人口減少に歯止めをかけ、「山梨県まち・ひと・しごと創生人口ビジョン」における目指すべき将来展望を実現する施策を積極的に推進するため、国の地方創生加速化交付金を最大限活用することとし、総合戦略に沿った施策などについて、二月補正予算案に八億円余を計上したところであり、当初予算と合わせて一体的に展開して参ります。
 第二は、「基幹産業発展・創造プロジェクト」についての施策であります。
 先ず、県経済を牽引する基幹産業の発展についてであります。
 本県経済の発展と安定的な雇用を確保していくためには、基幹産業を維持発展させるとともに、新分野への進出等により裾野の拡大を図り、グローバル化や景気変動の影響を受けづらい足腰の強い産業構造への転換を進めていく必要があります。
 このため、去る一月十五日、国内最大級の公的研究機関である国立研究開発法人産業技術総合研究所と連携し、同研究所が有する最先端の技術シーズの解説等を行うセミナー及び県内企業との個別懇談会を初めて開催致しました。
 明年度は、更に連携を強化し、県内企業が同研究所と共同で行う新技術や新製品の開発に対して助成する制度を創設し、成長分野への進出を促進して参ります。
 また、企業を誘致することは、産業振興のみならず、人口減少対策としても有効であります。
 このため、本社機能の移転や事業拡張を行う事業者に対し、県が課税する不動産取得税、事業税などを軽減する優遇制度を創設して参ります。
 更に、産業集積促進助成金の助成対象を拡充し、「やまなしパワー」による安価な電力供給と合わせて、自治体間競争を勝ち抜く全国トップレベルの強力な支援制度を構築し、企業誘致を積極的に推進して参ります。
 次に、自立・分散型エネルギー社会の構築についてであります。
 本県の新たなエネルギー政策の基本指針となる「やまなしエネルギービジョン」については、県議会からいただいた「エネルギー地産地消に向けた政策提言」を踏まえ、強い経済・しなやかな暮らしを支えるエネルギー社会の実現を基本理念に本年度中に策定して参ります。
 明年度は、このビジョンの実現に向けて、新たに、家庭における自立・分散型エネルギー設備の設置を支援するとともに、地中熱利用の普及促進や太陽光発電設備の適正管理などを推進して参ります。 
 次に、産業を担う人材の育成と確保についてであります。
 本県の基幹産業である機械・電子産業に即戦力となる人材を育成し、供給していくため、先ほど申し上げました、甲府工業高校に全日制の専攻科を設置するための検討経費を計上して参ります。
 また、研究・開発を担う技術系人材の県内定着を図るため、日本学生支援機構第一種奨学金を利用した大学生等のうち、県内の機械・電子関係企業に一定期間勤務した者に対し、奨学金の返還を支援することとし、産業界と連携して、ものづくり人材就業支援基金を創設し、県内に定着する人材の確保を促進して参ります。
 次に、中小企業の成長と持続的な発展についてであります。
 昨年十二月、県議会からいただいた「中小企業・小規模事業者振興のための条例制定に向けた政策提言」を踏まえ、中小企業・小規模企業の成長と持続的発展を目的とした、中小企業・小規模企業振興条例案を今定例県議会に提案したところであります。
 条例案では、意欲ある中小企業・小規模企業が、自らの努力と創意工夫を基本としながら、持てる力を十分に発揮し、新しい価値の創出や生産性の向上などにより、社会経済状況の変化に即応できるよう、県や商工団体、金融機関など地域全体で、個々の企業の特性に応じた支援を行っていくこととしております。
 明年度は、商工業振興資金において、事業承継支援融資、小規模企業強化融資の二つのメニューを創設し、中小企業の成長を金融面から支援して参ります。
 更に、公益財団法人やまなし産業支援機構に中小企業・小規模企業のための振興基金を創設し、新商品の開発や市場開拓を支援して参ります。
 第三は、「地域産業元気創造プロジェクト」についての施策であります。
 先ず、地域資源を最大限に活かす観光の推進についてであります。
 昨年、本県に宿泊した外国人宿泊客は十一月までに過去最高の百二十万人を超え、前年一年間の宿泊者数を大きく上回るなど、近年、本県の観光は好調を維持しており、観光産業は成長産業と期待されているところでありますが、一方で人材の育成や経済波及効果の拡大などの課題が明らかになっています。
 そのため、「観光産業の稼ぐ力と働く魅力を高める」などを基本方針とした「やまなし観光産業活性化計画」を本年度中に策定し、明年度には、峡東地域でのワインリゾート構想の取り組みに加え、峡南地域においても、身延山久遠寺等の歴史や文化に関する地域資源を活用した観光振興構想を策定するなど、広域での観光地づくりを推進して参ります。
 また、峡北地域においても、新たにホテル・旅館と連携して、県産食材を活用した「食」をテーマに情報発信を行うなど、周遊観光の促進を図り、観光産業の活性化を図って参ります。
 次に、ユネスコエコパークの登録に向けた取り組みについてであります。
 本県を取り巻く優れた自然環境について、世界的な評価を受ける中で、保全と持続可能な利活用を促進し、その価値を内外へ発信するため、平成二十六年六月に登録された南アルプスユネスコエコパークに引き続き、新たなエコパークの登録を目指し、本県が中心となって関係自治体等に対して参加への呼びかけを行って参りました。
 その結果、秩父多摩甲斐国立公園を中心とする地域について、本県、埼玉県、長野県内の十市町村から参加する意向が示されましたので、過日、登録推進協議会設立準備会を設置したところであります。
 今後は、対象地域の自然環境の状況調査を行うとともに、登録推進協議会を設立し、シンポジウムの開催等による地元の気運の醸成や、国や学術機関等と協議しながら申請に向けた準備を進めるなど、早期の登録実現に向け積極的に取り組んで参ります。
 次に、豊かな森林資源の利活用についてであります。
 昨年十二月に策定した「やまなし森林・林業振興ビジョン」においては、「材」「エネルギー」「場」の三つのキーワードを設け、施策の基本方針等をお示し致しました。
 明年度は、このビジョンに基づき、東京オリンピック・パラリンピック関連施設の整備に県産FSC認証材の利用を積極的に働きかけるとともに、CLT工法の普及のための技術研修などを加速して参ります。
 また、魅力的な森林スポットを観光資源として情報発信していくとともに、クロアワビタケやダイオウなど新たな特用林産物の産地化や販路拡大に取り組んで参ります。
 次に、高品質化・販路開拓による儲かる農業の展開についてであります。
 本県農業を成長産業としていくため、昨年十二月に「新・やまなし農業大綱」を策定致しました。
 明年度は、この大綱に基づき、県産農産物の輸出拡大を図るため、マレーシア、タイでトップセールスを行うとともに、アジア地域における常設の販売・情報発信拠点を設置して参ります。
 また、トラフグ等の陸上養殖に取り組む特産品開発事業者等に対し、養殖施設の整備費用を助成し、新たな県産魚の産地化、ブランド化を推進して参ります。
 次に、活気に満ちあふれた農山村の創造についてであります。
 農業の多様な担い手の確保を図るため、親元就農した農家子弟の規模拡大を支援する新たな助成制度を設けるとともに、就農希望者や企業に対し、本県への就農や参入を積極的にPRして参ります。
 また、鳥獣被害対策については、農作物の被害額は減少しているものの、農林業被害額は前年度を上回る六億七千万円と深刻な状況となっており、昨年十二月には県議会からも着実な推進に関する御要望をいただいたところであります。
 農林業被害の半分近くを占めるニホンジカの捕獲については、平成二十二年度までは年間三千頭程度を捕獲目標としておりましたが、年々捕獲目標を引き上げ、本年度は、二十二年度の五倍近くとなる一万四千頭を目標にしたところです。
 明年度は、更に二千頭増やし一万六千頭とし、一層の強化を図って参ります。
 合わせて、捕獲に取り組む民間事業者の育成や捕獲従事者の負担軽減への取り組みを進め、今後の捕獲体制の強化も図って参ります。
 また、捕獲後のシカ肉の利活用についても、新たにジビエとして特産品化するための認証制度の導入などを検討して参ります。
 次に、個性あふれる地場産業の振興についてであります。
 世界に通用するワイン産地の確立を目指して、新たなワイン産地確立推進計画を本年度中に策定して参ります。
 明年度は、この計画に沿って、醸造用ぶどう生産における収益向上を図るため、新植・改植時の未収益期間の短縮化や省力化等の技術開発に取り組むとともに、醸造用ぶどう生産の新たな担い手を育成し、需要が拡大している醸造用ぶどうの生産拡大を図って参ります。
 県産織物については、イタリアで行われる展示会への出展を支援するとともに、ファッションやテキスタイルの業界で世界的な影響力を持つフランスの企業と共同した産地ブランド化を推進して参ります。
 ジュエリーについては、本県のデザイン力や技術力の高さをPRする映像を日本語、英語、中国語で作成し、国内外への情報発信を強化して参ります。
 次に、にぎわいを生み出す商業・中心市街地の活性化についてであります。
 地域の商店の活性化を図るため、商店街等が連携して買い物弱者を支援する「買援隊」の取り組みを推進して参ります。
 また、甲府市中心市街地の活性化については、現在、県と甲府市が共同で、甲府城周辺地域活性化基本計画案を作成しておりますが、明年度は、この基本計画に基づき、具体的な実施計画を策定して参ります。
 第四は、「まなび・子育て環境創造プロジェクト」についての施策であります。
 先ず、安心して子どもを産み育てられる社会づくりについてであります。
 若い世代が将来に希望を持てる社会を構築するために、結婚、出産、子育てに関して切れ目のない支援を講じて参ります。
 結婚については、やまなし出会いサポートセンターを充実し、出会いの場を広げるとともに、市町村の結婚相談員や県シルバー人材センター連合会等と連携して、県内全域で若者の結婚支援に向けた取り組みを推進します。
 妊娠、出産については、本年度から男性不妊や不育症治療なども対象に加えるなど国制度を拡充して、不妊治療の医療費助成を行って参りました。
 明年度も、引き続き、不妊治療の経済的負担を軽減して参ります。
 また、山梨大学への寄附講座の設置を通じて、分娩を取り扱う医療機関がなくなってしまった地域においても、分娩を担当する病院と連携して、地域の身近な病院で妊婦健診が受けられるセミ・オープンシステムの導入や、分娩再開を強力に支援して参ります。
 更に、明年度からは、新たに助産師の技術レベルの向上に取り組むなど、県内全域で安心して出産ができる体制を確立して参ります。
 また、一昨日オープンした産前産後ケアセンターの利用者に対し、利用料金の約八割を県と市町村で助成するとともに、助産師等の専門家による年中無休二十四時間対応の電話相談を実施し、出産前後の母親の不安を軽減して参ります。
 子育てに関しては、経済的負担が大きいことなどを理由に、実際の子どもの数は、理想を下回っているという現実があり、希望した数の子どもを持てるようにするためには、女性が働きやすい環境の整備とともに、保育に対する経済的支援を充実することが重要であります。
 このため、明年度から、都道府県では全国で初めて、二人目以降の子どもについて、市町村と連携して保育料の高い三歳未満児を対象に無料化し、「もう一人子どもを持ちたい」と願う世帯を強力に応援して参ります。
 また、ひとり親家庭に対しては、従来の給付や貸付に加え、就職に有利な資格取得から就業まで、きめ細かな支援を行うとともに、生活困窮世帯に対しては、新たに子どもの学習支援を実施して参ります。
 こうした取り組みを通じて、若い父親や母親、これから親となる世代への支援を充実させ、「日本一健やかに子どもを育む山梨」を目指して参ります。
 次に、個性と学力を伸ばす教育の充実についてであります。
 昨年実施された全国学力・学習状況調査において、本県は中学校国語と理科以外は全国平均を下回る結果となっており、学力向上は早急に対応すべき課題であります。
 このため、明年度から放課後や土曜日などを活用した児童生徒への補習の拡大実施や、本県独自で実施している学力調査の早期分析による授業改善、家庭学習用のリーフレットの配布など、学校、家庭、地域が一体となった取り組みを県内全域で推進して参ります。
 次に、スポーツ・文化の振興と魅力の発信についてであります。
 二〇一九年ラグビーワールドカップ日本大会や二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に当たり、陸上競技やラグビー競技のキャンプが期待される富士北麓公園について、その誘致をより確実なものとし、地域振興につなげるため、競技団体の定める基準等に照らし、不足している施設の整備を行うこととし、平成二十九年度の完成を目指して、明年度は実施設計を行います。
 第五は、「健やか・快適環境創造プロジェクト」についての施策であります。
 先ず、安心して暮らせる地域づくりについてであります。
 高齢者の方々が自宅や住み慣れた地域で安心して生活ができるよう、地域全体で介護を支える体制づくりを推進していく必要があります。
 このため、市町村介護保険事業計画に基づく介護施設等の整備を推進して参ります。
 また、介護人材については、介護福祉士等の資格取得のための修学資金貸付制度の拡充、離職した介護職員の再就職準備金の貸付制度の創設、市町村のボランティアセンター等と連携した人材の掘り起こしにより、一層の確保を図って参ります。
 自殺対策については、現在、県議会において「自殺対策に関する条例(仮称)」の検討が進められておりますが、この条例骨子に沿って、普及啓発や関係団体の活動支援、人材の確保、自殺未遂者等への支援などに取り組んで参ります。
 次に、県民の健康増進と医療の充実についてであります。
 胃がんの八割はピロリ菌の感染が原因であり、除菌により胃がんが減少できるとされています。
 このため、都道府県で初の取り組みとなるピロリ菌感染者の除菌治療費に対する助成制度を創設し、合わせてピロリ菌除菌の有効性等の普及啓発に取り組み、胃がんによる死亡者の減少、医療費の抑制を図って参ります。
 また、本県の肝がんによる死亡率は東日本第二位と高いことから、引き続き肝炎陽性者の早期発見、早期治療への取り組みを推進して参ります。
 生活習慣病については、新たに医科歯科連携による糖尿病の重症化予防を推進して参ります。
 こうした総合的な疾病対策により、「健康寿命日本一」の更なる延伸を図って参ります。
 また、医師の地域偏在の解消に向け、山梨大学からの医師派遣を促進する助成事業を新たに実施するとともに、健康科学大学看護学部が本年四月に開設されることに伴い、看護職員修学資金の貸付枠を拡充し、県内への就業を促すなど、県内医療体制の更なる充実を図って参ります。
 次に、「やまなしライフ・ワークスタイル」の推進についてであります。
 東京有楽町に設置しているやまなし暮らし支援センターについては、平成二十五年六月の開設以来、これまでに三百九十人の移住実績を上げておりますが、一層の利用促進を図るため、市町村と一体となったオール山梨での移住セミナーや相談会の開催、首都圏でのPRなど、山梨の魅力を強力に発信して参ります。
 また、地域の空き家を改修して一定期間お試し的に利用していただく移住促進住宅を整備する新たな助成制度を設けるとともに、このお試し住宅と連携した市民農園の整備も進めて参ります。
 更に、本県出身者や県内別荘所有者、本県を訪れる旅行者等に対し、県有施設の利用料金の割引等が受けられる「やまなしリンケージパスポート」の発行を行い、本県との一層の交流を図って参ります。
 こうした取り組みを通じ、本県への経済的な貢献度や愛着・帰属意識の高い方々、すなわちリンケージ人口の拡大を図って参ります。
 第六は、「安全安心・交流基盤創造プロジェクト」についての施策であります。
 先ず、災害に強い県土・地域づくりについてであります。
 住宅の耐震化については、平成三十二年度末までに耐震化率を九十パーセントとすることを目標に、引き続き、昭和五十六年五月以前に着工された木造住宅の耐震診断、耐震設計、耐震改修に対し助成を行って参りますが、集中的な整備を進めるため、明年度から三箇年に限り、子育て世帯などが行う耐震改修に対しては補助限度額を引き上げ、支援を拡充して参ります。
 不特定多数が利用する民間の大規模建築物の耐震化については、明年度から、新たに耐震設計、耐震改修への助成を行うとともに、避難路沿道にある対象建築物に対しても引き続き耐震化の支援を行い、災害に強い安全安心なまちづくりを推進して参ります。
 また、県消防防災ヘリコプター「あかふじ」については、平成七年の運用開始以来、山岳遭難救助や林野火災消火等の活動を行ってきたところでありますが、二十年以上が経過し老朽化が進んでいることから、機体を更新して参ります。
 更に、災害時における情報の収集・共有・提供を迅速かつ適切に実施するため、総合的な防災情報システムの構築や防災行政無線の衛星系設備の更新を行い、防災体制を一層強化して参ります。
 次に、利便性の高い交通網の整備についてであります。
 甲府駅南口駅前広場につきましては、バス運行情報等の案内表示システムの整備に対し助成し、利便性の向上を図って参ります。
 鉄道駅のバリアフリー化については、明年度は、小淵沢駅のエレベーター等の整備に対し助成を行って参ります。
 また、交通事故の状況の高度な分析を行う地理情報システムを導入し、交通事故の抑止対策を効果的に推進して参ります。
 以上の内容をもって編成した結果、一般会計の総額は、四千六百六十二億円余となっており、本年度六月現計予算と比較して、〇・八パーセントの増となっております。
 この財源と致しましては、地方法人特別譲与税を含む実質県税千五十億円余、地方交付税千二百五十四億円余、国庫支出金五百十二億円余などのほか、臨時財政対策債を含めた県債六百二十五億円余を計上しております。
 次に、条例案のうち、主なるものにつきまして申し上げます。
 山梨県部等設置条例の改正についてであります。
 「ダイナミックやまなし総合計画」を着実かつスピーディーに進めていくためには、全庁一丸となって施策を推進する組織体制の構築が不可欠であります。
 このため、主要な政策の立案及び調整機能を一元化し、施策推進の司令塔的役割を一層強化するため、知事政策局を総合政策部に改めるとともに、文化・学術振興を含めた県民生活に関する施策の推進をより充実させるため、企画県民部を県民生活部に改めようとするものであります。
 また、指揮命令の一層の明確化と迅速化を図るため、防災及び危機管理業務に特化した防災局を新設しようとするものであります。
 最後に、平成二十七年度二月補正に係る提出案件について御説明申し上げます。
 先ず、国の補正予算への対応についてであります。
 私はこれまで、県議会からの御要望も受け、政府・与党に対して、アベノミクスの効果が十分に及んでいない本県の厳しい経済情勢を訴えるとともに、早期に経済対策を策定し、補正予算を編成するよう働きかけを行って参りました。
 国においては、過日、こうした地方の声などを踏まえ、一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策や、TPP関連政策大綱の実現に向けた施策等を盛り込んだ平成二十七年度補正予算が成立したところであります。
 本県では、こうした国の動きに迅速に対応し、防災・減災対策をはじめ、住民生活を守るインフラ整備を強く要望した結果、公共事業について九十六億円余を確保し、補正予算案に計上したところであります。
 また、既に申し上げましたとおり、国の地方創生加速化交付金を活用して、まち・ひと・しごと創生総合戦略に沿った施策などについて八億円余を計上しております。
 なお、今回の補正予算案においては、実質県税の増収や事業費の確定による減額補正などにより、本年度の財源対策として予定していた八十八億円の基金の取り崩しを全額回避することができました。
 また、今後見込まれる新たな大規模プロジェクトの実施に備え、公共施設整備等事業基金に六十四億円を積み立てることができました。
 この結果、主要基金の残高は、運用益と合わせて六百九十三億円余となります。
 以上の結果、一般会計の補正額は百三十五億円余の増額となっております。
 その他の案件につきましては、いずれも、その末尾に提案理由を付記しておりますので、それによりまして御了承をお願い致します。
 私が知事に就任して、二年目の県政がスタート致します。
 今後とも、強い心と中庸の精神を持ち、山梨を守り、発展させていくとの固い決意のもと、本県が抱える多くの課題を積極果敢に解決し、明るく元気な山梨をモットーに、これまで以上に誠心誠意努力して参る所存でありますので、議員各位をはじめ、県民の皆様の一層の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
 なにとぞ、よろしく御審議の上、御議決あらんことをお願い申し上げます。

    平成二十八年二月十七日

        山梨県知事   後  藤   斎

山梨県郡内野球大会(公式戦)が始まりました。

 

 

4月12日山梨県西桂町民グランドをお借りして南都留の予選を行いました、船津少年野球団は何と屈辱のコールドで西桂に負け悔しさだけが残る試合でした。学童まで残り1か月全力で練習し悔いの残らないそして船津の伝統を汚さない試合をしてほしいものです。

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山梨県議会議員選挙

お隣の選挙区富士吉田市では選挙のたびに「怪文書」なる誹謗中傷文書が出る。

怪文書の定義は定かではないが、直接、間接にかかわらず相手を、もしくは相手たちを揶揄する文書、さらに差出人がなくあったとしても〇〇団体とか〇〇会とかいうものが多い。

民度が低い!!かつて私が住む富士河口湖町長選挙でもそういったものが出されたがこれで当選してきて正当論をはく議員の資質を疑う。

論語に「道に聴きて塗に説くは、徳の棄なり」とあるこういった流言飛語はまことしやかに広がるもの恐ろしい限りである。

 

しらかべけんいち(白壁賢一)後援会「白友会」のご案内

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みなさん、こんにちは! 山梨県議会議員の白壁賢一(しらかべけんいち)です。当サイトでは、県議会議員・白壁賢一の活動情報や、わたし自身の生の声、また保守系会派「県民クラブ」の紹介などを通して、少しでもお役に立てるようお伝えしていきます。
YouTube版白壁ニュース 議会での模様や気になった日常のヒトコマを記録します。
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