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スペシャル対談『国際交流ゾーン 問われる「もてなしの質」』1/3

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【ゲスト】
学校法人 マリア国際幼稚園事務長
庄司 日出夫[しょうじ ひでお]
1948年、山形県生まれ。大学卒業後、東南アジアを中心に約10年間放浪。帰国後、富士北麓に移住し、日本で初の英語教育による幼稚園「マリア国際幼稚園」開園。国際観光連絡協議会初代会長も務めた。

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白壁
私は常々、富士北麓の発展は「国際化」にあると考えています。富士山を仰ぎ、手つかずの自然が残っているこの地域には、現在も諸外国から多くの人が訪れます。ここを更にグレードの高い国際交流ゾーン、国際会議などが開催され、世界の要人が集うような地域にしたいのです。県議会でも再三にわたって国際コンベンション誘致促進策などを要望してきました。

庄司
確かに、富士北麓の未来は「国際化」がキーワードだと思います。グレードの高い国際交流ゾーンの形成は素晴らしいことです。課題はたくさんありますが、決して不可能なことだとは思いません。日本の象徴としての富士山があり、雄大な自然があり、空気はいい、観光もある。豊かな食材は地元にもあるし、新鮮な魚もすぐに手に入ります。これほど条件がそろっている場所は他にないのでは…。

白壁
世界の要人が羽田空港から短時間で移動して、到着したらそこには富士山があり、静かな環境の中で集中して会議ができるし、家族が同行してくればテーマパークで遊んだり、アフターコンベンションで何日間かスローツーリズムを楽しむこともできる。富士北麓は無限の可能性を秘めた地域だと思います。

庄司
私は、富士山は屏風のようなものだと考えています。問題は屏風の前に何を置くか、何をするかです。眺めているだけでは、ただの屏風でしかありませんが、その前で踊ればとてもいい舞台になります。しかし、地元の多くの人は踊り方を知らないのではないか、そう思うのです。今までいったい何をしてきたのかを検証し、これから何をしていかなければならないのかを真剣に考えていかなければなりません。

白壁
国際コンベンションは日本国内で年間2,8OO件ほど開催されているにもかかわらず、富士北麓での開催は年々減り、今は年に数件あればいいほどの有り様です。県も「富士北麓国際交流ゾーン構想連絡協議会」を立ち上げて取り組んでいますが、真剣に考えていかなければ、富士北麓の未来はないのではないかという危機感を持ちます。

庄司
地方の特色と関係のないような国際会議は、固定した場所で開催した方が効率的です。初期投資だけで済むので経済的にも大きなプラスです。しかし、仮に国際会議が富士北麓で固定的に開催されるとしても、住民意識、感覚がそれに応えられる状況にあるかといえば、かなり疑問です。国際会議に対する住民の関心はほとんどありませんし、情報もない。突然、町の中をいろいろな国の人が歩いているのに気づくくらいです。

白壁
そうですね。道を尋ねられても満足に答えることができない。通訳もほとんどいない。国際観光地とはいっても、国際感覚という点ではまだまだというのが実情です。

庄司
国際会議開催にとって重要な条件は、スタッフの質はもちろん、問われるのは「もてなしの質」です。上品で、教養があり、国際的なマナーが備わっていなければなりません。固定型の場合、何よりも大事なことは、何度来ても飽きない、また来たいと感じてもらうことです。不愉快なことは絶対にあってはなりません。これは一朝一夕にはできないことです。時間のかかる仕事です。

白壁
スイスは国際会議が多い国ですが、先般庄司さんが訪れたフィンランドでも多いですね。

庄司
ほっとするんですよ。フィンランドでの国際会議はほとんど、ヘルシンキにあるヒルトンホテルで開催されるのですが、そこは町の中心から車で20分くらいの場所にあって、周辺がとてもいい環境です。湖があって、夕陽がとてもきれいで、散策路や品の良い別荘、それにテニスコートやゴルフ場もあって要人たちがジョギングをしていたりする。みな落ち着くのかな、と。要人ともなれば文化遺産なんかは見飽きている。むしろ何もないこと、何もないことの良さだと思います。静かな散策路、小鳥のさえずり、小動物や蝶を大切にしているような環境。大規模な施設をつくるのではなく、こういうコンセプトで地域をつくっていく必要があります。ひと昔前、国際会議といえば熱海でした。でも今、熱海で開催する人はいない。熱海は繁華街ばかり立派にして、人づくりをしなかったからです。その轍を踏まないことです。

スペシャル対談『「国際交流村」構想 富士北麓の未来が見える』2/3


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白壁
庄司さんは、1)国際会議、研究開発 2)人材育成 3)観光産業開発の3エリアから成る「国際交流村」構想を温め、実行に移そうとしています。私もその趣旨に賛同し、協力しています。富士北麓の未来を考えるとき、こういうことが必要だと思うからです。

庄司
国際交流村の完成までには、3つのプロセスが必要です。まず、人材育成のために教育エリアを整備しなければなりません。国際会議が開催されるまで、少なくとも小学生が卒業している必要があります。それまでには3年は必要です。次に研究開発エリアでは、若い研究者が育っていなければなりませんし、一部の住民は生活をしていなければなりません。これには2年ほどが必要でしょう。ここで言う住民というのは、国際交流村に移住した一般住民のことです。国籍は問いません。国際的に活躍した政治、文化、芸術、スポーツ関係の人々に優先的に住んでいただくことによって、国際会議や交流の時、彼らが上品で教養のある話題や国際的なマナーを教授してくれることになるでしょう。このような環境がすべて整備されれば、日本の国際会議の80%ほどをこの富士北麓で開催することができると考えています。

白壁
何事もそうだと思いますが、やはり人づくりが重要です。グレードの高い、世界の要人たちが集う国際交流ゾーンをつくっていくためには、時間はかかっても人材を育成していくことが不可欠です。そのことをひしひしと感じます。

庄司
富士北麓の国際化といっても簡単なことではありません。付け焼刃では絶対に成功しません。まずは人材を育成すること、教育が先です。それが富士北麓の国際化につながり、国際交流ゾーンと結ぴついていきます。考えてみれば、これは本来の富士山のあり方に近づく一つの方法であると思います。人材育成の目的は、究極的には富士山、そして地域の未来はどうあるべきか、ということではないでしょうか。富士北麓に大きな工場をいくつも誘致してくるのか、それとも観光や農業、自然を大切に守り、将来、よくぞこの産業や自然を残してくれたといわれるような地域にするのかということです。

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白壁
理想だけでは難しい面も出てきますが、いずれにしても富士北麓の知名度を国際的に上げていく ことが必要です。世界に向かってアピールしていく必要があります。知名度を上げるためにはどうしていくか。来た人に2度と来たくないと思わせるようではだめです。喜び、満足してもらえるようにしなければならない。ここはいい地域なんですよ。朝起きて、富士山を見上げると、ああいい所に住んでいるな、と実感します。御坂峠から河ロ湖に下りてくると、湖の向こうに富士山がそびえ立っている。素晴らしい景観です。国際会議に出席した世界の要人たちに2、3日滞在してほしいものです。

庄司
富士北麓はこじんまりした地域です。富士山があり、湖があり、温泉もある。伊豆半島は東と西とひと回りすると1日かかるが、ここは2、3時間もあれば十分な地域です。ここに住んでいる私たちは忘れがちですが、この地域に足を運んで来る人たちは来るたびに違う富士山の表情と新鮮な空気に感動しています。そういう期待感があると思います。意外にいいのは、富士五湖がそれぞれの良さを保っていることです。

白壁
以前、スイスを旅行したことがあります。チューリッヒはビルの建ち並ぶ都市ですが、ちょっと足を延ばして鉄道でレマン湖の方へ行くと、いきなり雄大な自然の中に入って行きます。富士北麓も同じようです。国際交流村をつくるのに相応しい場所だと思います。この構想が具体化すれば、富士北麓の未来が見えてきます。

 

スペシャル対談 『フィンランド教育「混迷する教育の“救世主”に」』3/3


『「国際交流村」構想 富士北麓の未来が見える』


フィンランドの小中学校では、頭がイイんだから自分でやることは自分で考えてやる、
出来ない子をみんなで手伝ってやるんです。
そのことで自分の能力をさらに高めていくわけです。

白壁
庄司さんはフィンランド教育に造詣が深い。現地も視察して、つぶさに学んできています。人材育成を担う国際教育村では「フィンランド教育」を導入するということですが、なぜフィンランド教育なのですか。

庄司
フィンランドの小中学校では、成績良い子は放っておくんです。成績の上の子には、何でもいいからやっていなさい、と。日本では、教えれば伸びるのだからなぜ放っておくのだといいますね。しかしフィンランドでは、頭がいいんだから自分でやることは自分で考えてやる、出来ない子をみんなで手伝ってやるんです。そのことで自分の能力をさらに高めていくわけです。フィンランドでは中学校までテストをしてはならない、と法律で決まっています。国が指導要綱を出してもいけない。何を、どう教えるか、どういう教材を使うかは教師の自由になっています。フィンランドには塾が1つもありません。

白壁
フィンランドの教師のレベルは非常に高いと聞きます。

庄司
フィンランドの小学校を視察した時に、教室を見せてもらいました。机があって、椅子があって…。しかし、よく見ると、日本の教室とはいろいろなところが違います。まず、何百という引き出しがあります。そこには子どもたち一人ひとりの資料が入っていました。教師たちの部屋には教育の研究書、自分で作った実験教材、読んだ本などがびっしりありました。コンピューターも数台備えてあり、教師がいろいろな情報を得ていました。授業の中でどんどん広がっていく子どもたちの発想や疑問に答えなければならないわけですから、教師たちの勉強量はものすごいものがあります。

白壁
テストの中で育ってきた私たち日本人からすれば、テストがないというのは驚きです。

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庄司
テストがないことによって、自分自身を見つめることができるわけです。テストがあれば上を見て諦めたり、下を見て満足したりするけれど、私はいったい何をするのか、何をしなければならないのか ― 要するに、目覚めがものすごい能力を発揮することにつながります。国際教育村にはまず小学校、次には中学校を考えています。

白壁
2003年でしたか、経済協力開発機構(OECD)が世界41カ国約27万6干人の15歳を対象に行った学習到達度調査(PlSA)では、フィンランドの子どもたちは世界のトップクラスの成績を収めました。テストがあり、塾がある日本の子どもたちの学力はずるずると低下しています。

庄司
このままでは日本の教育は大変なことになってしまう、と誰も憂慮しています。今、日本の教育で一番悩んでいるのは文科省の役人だと思います。何をしたらよいのか分からない。以前、指導要綱は10年とか20年の単位で出されたものですが、いまはころころ変わています。そこに混乱ぶりが表れていると思います。文科省の役人は、フィンランド教育を取り入れる私たちの取り組みに関心を持っています。日本の教育の未来にヒントを求めているということです。これを実現できるのは民間の学校法人でしかありません。実現すれば日本で初めて、アジアでも初のフィンランド教育による学校が開校することになります。日本の教育の“救世主”になる可能性を秘めています。

白壁
これからフィンランド教育が注目されていくのは間違いないと思います。ハードルはいくつもあると思いますが、国も県も地域も巻き込みながら富士北麓を真の国際交流ゾーンとするために、是非実現したいものです。

地域要望を新政権は無視・国道138号拡幅工事中止

新政権は10年度概算要求で公共事業費を09年当初予算から14%減額することを発表した。

山梨県、とりわけ郡内地区においては国道138号の拡幅工事が一時?中止らしい、この事業は地域の長い間の懸案事項であった、それが自民党政権の最終で事業認可となり地元市町村をはじめ地域住民は大きな期待を寄せていた、それが新政権であえなく「残念」と言うことになった。

民主党のマニフェストでは、「地域主権」を掲げていたがこれでは地域主権どころではなく「地方無視」「地域住民不在」の政治、民主党は地域にどのような説明をするのか・・・・まったく困ったことである。

これらは国直轄事業でありこれから国の補助事業が精査される、実情はこれからが大変なことになる、基本的には新規事業が中止、継続は続行と言うことであるが、財源を捻出できない現状において大衆受けする「公共事業圧縮」は新政権としても手をつけやすい、まだまだ地方と都市部には格差がありその代表格が道路基盤整備である。

衆議院総選挙までは良かったが・・・・・

衆議院選挙8月30日までの日経平均株価は景気持ち直しへの期待感からそこそこの水準を維持していた、しかしその後は主要国の株価が上昇する中日本の株価は下落を続ける、本日11月26日は9300円割れも思わせる株価であった。

株価とはその国の成長期待で上下する、鳩山政権には明確な国家戦略がない、だから外国人も逃げてしまい株価が上昇しない、藤井財務相が「円高容認発言」をしたり「株価低迷の原因は企業の公募債発行にある」がごとき発言をしたり、大臣の中には四半期GDPの政府発表前にどこかの挨拶でもらしてしまったりと、まったくていたらくである。

鳩山新政権は大企業重視から個人重視、ある一面聞こえは良いが国家国民からするとマイナスにほかならない、経済が低迷すると企業業績が悪化する企業儀う席が悪化すると社員の所得が下がる、所得が下がるとモノが売れない、売れないと値下げする、値下げすると企業収益が悪化、すると社員の給与を下げる、新政権は派遣規制や最低賃金の引き上げを公約としてうたい実行も遅かれ早かれおこなわれるだろう、しかしその前に企業は耐え切れず海外に転出、結果被害をこうむるのは「国民」と言うことになる。

デフレによる悪循環

平成9年橋本政権による消費税増税後GDPデフレーターは一直線に下落した、その後小泉純一郎政権では円安誘導により輸出企業のバランスシートを作為的にかさ上げした、しかし物価は下がり続けた。これには様々な要因がある、たとえば小泉政権では公共投資、社会保障費の削減、実質的な所得税の増税等があった。緊縮財政がデフレ現象に拍車かけ、GDPは減少し、またそれに伴って税収も減少する、結果的に国家債務は膨れ上がるという悪循環となる。

リーマンショック以後の経済に対する日本の無策さは悪い意味で世界からの注目を集める、米国では物価下落を止めるために財政出動をもって需要を喚起させ、また金融の量的緩和を実施した、しかし世界でも長期かつ深刻なデフレに見舞われている日本は財政のみに固執し世界の主要中央銀行の中で唯一日銀だけが資金供給量を増やそうとしない、確かに日本はGDPに対する国家債務は先進国の中でも際立つ、しかしこのデフレ、経済不況を脱するには、ある面での無駄の排除、削減をおこない、通貨供給量を増やし未来のための新ビジネスにつながる投資をしなければならない。

今、盛んに仕分け作業が行われている、誰が言ったのか「公開処刑」「人民裁判」まさに的を得た言い回しである。

ネットでライブ公開されている状況を見るにつけ憤りを覚える、政治家でもない「主婦の目線や経済学者風情」の輩が天下国家、財政を論議する、こんなことでは国家の復興は極めて遠い先か、もしくは債務超過のままどこかの国の一部にでも吸収されるのでは真剣にも考える。

仕分けの目的は無駄の排除であって無理、無謀な政権公約を実行するための会議であってはならない、また国家ビジョンのための「無用の用」や地方には必要な財もあれば事業もある、それまでも廃止や削減するようではこの政権も長続きしない。



スペシャル対談・第2回・「地域医療を考える」

スペシャル対談
第2回「地域医療を考える」

山梨県の医療はどうなっているのか。
誰もが安心して暮らせる道をどう探っていくか。
富士北麓・道志の明日を担う白壁賢一が、
山梨県の厚生行政トップと実状や課題などを
縦横に語り合った。

ゲスト山梨県福祉保健部長小沼 省二氏

01 医師過疎の県「崖っぷちでしのいでいる状況」

白壁 「医療崩壊」とか「地域医療の危機」という言葉が日常的になっています。山梨県内でも、地域医療の拠点となる病院では産科や小児科などの診療科目が閉鎖あるいは休診に追い込まれました。今、地域医療は非常に厳しい、深刻な事態にあるという認識を持っています。

小沼 確かに危機的な状況ではありますが、山梨県はまだ「崩壊」とか「お手上げ」というまでには至っていません。崖っぷちでしのいでいる状況です。しかし、このまま手をこまねいていれば、もっと厳しい状況になるのは避けられません。ですから、さまざまな施策を総合的に展開し、出来るだけ現在の水準を維持しながら、充実の方向に持っていこうとしているのが現状認識です。

白壁 今日の深刻な状況を招いた大きな要因として医師不足があるわけですが、山梨県は「医師過疎の県」とも言われています。

小沼 平成十八年末時点の人口十万人当たりの医師数をみると、全国平均の二百十七・五人に対して、山梨県は百九十九・一人です。山梨県は「医師不足八県」に入っています。

白壁 十六年度から実施された新臨床研修制度が医師不足の大きな要因として挙げられていますが、それだけでなく、もっといろいろな要因が複雑に絡み合って生み出された事態だとも聞いています。

小沼 医師不足と一口に言いますが、要因として五つあると思います。第一には絶対数の不足です。昨年以前、国は「不足」とは言わず、「偏在」という言葉を使っていました。医師数は足りているが「偏在」しているのだと。しかし今は「不足」という認識に立っています。医学部の定員増に踏み切ったことは、その表れです。
第二は地域間の問題です。大都市と地方、さらには地方の中での偏在による不足ということです。第三には、開業医は足りているものの、病院に勤務する医師が足りなくなっているということです。第四には診療科目間の偏在による不足です。産科や小児科、外科の医師は著しく足りていません。そして第五は男女間の比率の問題です。出産した女性医師が現場に復帰する機会が失われてしまっていることが挙げられます。不足の要因を考える中から処方箋のようなものが出てくるのではないかと思います。この五つの要因のうち、山梨県では勤務医の不足、地域間の偏在、そして特定診療科目間での不足が顕著です。

白壁 産科医、小児科医の不足は社会問題化しました。山梨県はどのような事態になっていますか。

小沼 診療科目の中でも、特に産科が著しく減少しました。平成十六年時、山梨県内で分娩を取り扱っていたのは二十四医療機関(十四病院、十診療所)でしたが、現在は十六医療機関(七病院、九診療所)になってしまいました。産科・産婦人科医は現在、八十人弱いるのですが、平成十二年時と比べると十人ほど減っています。

02 富士北麓・東部の現状住民ニーズに合った医療を提供

白壁 私の地元である富士北麓の医療提供体制について伺います。富士河口湖の山梨赤十字病院、そして富士吉田市立病院ともに地域に密着し、設立の経過などから地元の人たちが愛着を持っています。人的にも経営的にも厳しい環境にあるのですが、大変頑張っているという印象を持っています。

小沼 富士北麓には二つの総合病院があり、開業医も多い地域です。医療資源には比較的恵まれていると思います。二つの病院に対する「愛着」と言われましたが、富士北麓の七三%の人は地域内で医療を済ませています。ということは、それだけ病院の機能が期待されているということであり、厳しい経営環境にあってもきちんとやっていけるということです。地域のニーズに合った、身の丈に合った医療を提供していることの表れだと思います。

白壁 課題の一つに「里帰り出産」の難しさがあります。県外に嫁いでいる娘さんが実家に帰って産もうとしても、どこも一杯で諦めざるを得ない。今度、山梨赤十字病院の産科病床が増えることになり、ひと安心しているところです。

小沼 山梨県全体の年間出産数は約七千件あります。このうち富士・東部地域は年間約千三百件で、このうち三百件ほどを都留市立病院が担っていたのですが、昨年四月から取り止めになってしまいました。三百人というのはベッド数にして十床に相当します。この事態を放っておくわけにはいきませんので、国に事情を話して、特例として山梨赤十字病院に十床の増加を認めてもらったわけです。とりあえず病院増築までの措置として既存建物の改修で七床稼動していますが、二十二年度には十床になります。県外に嫁いだ娘さんも地元で出産できる体制が徐々に整いつつあります。

白壁 昨年十月に富士吉田市に小児初期救急医療センターが設置されました。地元の長年の要望が実現したわけで感謝しております。しかし二十四時間体制ではありません。何かあった時には御坂峠を越えなければなりません。

小沼 現在、平日・休日とも夜十二時までになっています。富士東部地域には小児科医が十六人しかおらず、国中の医師の応援が必要不可欠であり、昼間の勤務、翌日の勤務を考慮すると、どうしても午後八時から十二時ということになってしまいます。当初、センターの利用者は月五百人程度を予測していたのですが、現在九百人程度あります。今後も富士・東部地域における小児救急医療を安定的、継続的に提供できるように努めていきたいと考えています。

白壁 先日、富士吉田市立病院にがん治療機器「リニアック」を整備するのに県費を補助していただけるよう知事に要望書を提出してきました。国中では三病院に配備されているわけで、未整備ということになると「地域がん診療連携拠点病院」の指定を外されることにもなってしまいます。市の負担は大き過ぎるので喫緊に取り組まねばならない問題です。

小沼 がん治療機器「リニアック」が整備されないと、国の「地域がん診療連携拠点病院」指定を外される可能性があるわけで、そうなると郡内には指定病院がなくなってしまいます。地元の皆さんの願いは十分に理解しています。県としても何とかしなければと考えているところです。

03 救急医療の行方 消防一元化が病院の負担を軽減

白壁 県議会の中でドクターヘリの研究会を立ち上げることになりました。地元の会合などで「山梨にはなぜドクターヘリがないんだ」というような話を聞くことがありますが、富士北麓・東部に神奈川県からドクターヘリが飛んで来ていることが案外知られていません。一刻を争う時、医師が現場に急行するドクターヘリの必要性を痛感します。

小沼 現在、富士北麓・東部と甲府市の古関・梯を含むエリアにおいて神奈川県と共同でドクターヘリを運航しており、万一の時には伊勢原市の東海大学医学部付属病院から現場に急行して患者を搬送しています。年間の運航は約三百件、このうち約一割が山梨県の患者です。

白壁 山梨県のような山岳の多い特有の地形を持つ地域では、ドクターヘリの拡充が必要ではないかと感じています。県独自で導入することは難しいのですか。      

小沼 山梨県としては、今のところ隣接県との共同運航というのが基本的な考えです。神奈川県とは共同運航していますが、静岡県と長野県に打診はしたものの、例えば静岡県の場合、年間六百六十件ほどの運航があって山梨の分までは手が回らない状況です。それぞれの事情もあり難しい状況ですが、引き続き協議を求めていきます。一方、本県独自にドクターヘリを導入する場合、給油場所の確保等の課題があります。どの程度の患者が想定されるのかも調査しなければなりません。

白壁 県民が安心して暮らす上で救急医療体制の確保は欠かせません。今、病院が困っているのは土日等の救急だと思います。軽度の患者が二次医療機関に回されてくる。そうなると、本来は入院治療を要する患者に対応する病院に過度の負担がかかってきます。本来の役割がうまく機能すれば、病院の負担はかなり軽減されるはずなのですが。

小沼 医師の不足などから、二次救急に輪番で対応する勤務医の負担が大きいため、ここ数年、輪番から脱退したり、当番回数を縮小する病院が出てきています。医療圏ごとに設置されている地域保健医療推進委員会でこの問題を論議していただいています。峡東地域では在宅の当番医が病院に出向いて軽症患者の救急医療を行い、病院の負担を軽くするという試みも始まろうとしています。

白壁 そういう試みは病院を助けることでもあり、地域医療にとっても非常に良いことだと思います。

 
小沼 消防の一元化が議論されていますが、一元化されると救急情報も一本化されることになります。また、本年の五月に消防法が改正され、今後県は、症状に応じて傷病者を受け入れる医療機関をリストアップすることにしております。これらのことが実現されれば、症状に応じて適切な医療機関に迅速に振り分けることが可能になってくると思います。振り分けによって機能がうまく分担できるようになれば、二次救急医療機関の負担も軽減されると思います。救急医療をより良くしていく方法として重要な課題だと考えています。 

04 医師の確保と定着  山梨大医学部の地域枠が成果

白壁 地域医療の危機的な状況を再建していく上で、最優先の課題は医師確保です。さまざまな取り組みがなされてはいるものの、一朝一夕に片付く問題ではありません。それにしても産科、小児科医の不足は何とかならないものですか。

 
小沼 厚労省に、医師不足が深刻な診療科に医師を確保する仕組みをつくってくれるようお願いに行っても二言目には「それは職業選択の自由だ」と言われてしまいます。でも、それは違うのではないか。どの診療科目を選択するかについて、国なり大学などが誘導していくようなことをしなければ、勤務が過酷な産科や小児科のなり手などいません。そう訴えると「そこまで踏み込むことはできない」という答えが返ってきて、話は終わってしまいます。

白壁 でも、このまま手をこまねいていればどの病院も窮してしまいます。

小沼 県の取り組みや山梨大学の協力等により、今後着実に医師の総数は増えていくものと考えていますが、診療科目における医師の過不足の是正は今の制度の中では難しいだろうと思います。実効性のある対策を打ち出さなければ、どうにもなりません。

白壁 医師の定着を図るために山梨県は平成十九年度に医師修学資金貸与制度を創設したほか、産科医師後期研修奨励金制度も設けています。どのような状況ですか。

小沼 医師修学資金貸与者は現在までに三百十二人に上っています。また山梨大医学部も定員を増やし、県内で一定期間の診療を義務づける地域枠三十人を設けるなど積極的に取り組んでいます。二十年度の修学資金受給者卒業生三十人のうち二十四人は県内に残りました。歩留まりはいいです。また、後期研修で産科を選択した医師に対する奨励金は昨年度四人、今年度三人に交付しており、少しずつ成果が出てくるのではと思っています。このほかにも、勤務の厳しい産科や救急を担う医師の負担を軽減するために分娩手当や救急勤務医手当を支給する病院への助成、臨床研修医の確保対策、既に医師となった方々を山梨県に引っ張ってくる「ドクタープール制」も設けています。

白壁 地域医療を再建すべく病院のネットワーク化も進んでいます。

小沼 再編・ネットワーク化といっても、一気に統合などということではありません。山梨県はそれほど医療資源が豊かではないので、今の医療資源を守りつつ、足りない部分についてはネットワーク化するということです。今まで病院というのは規模の大小で機能を分担するという考え方でしたが、今度の医療計画制度の中では、がんや脳卒中などの四疾病、救急医療や災害時医療など五事業について機能分担していこうという考えに立っています。

白壁 具体的にはどういうことですか。

小沼 例えば脳卒中の急性期はA病院が受け持ち、回復期はリハビリのB専門病院、維持期になったら生活機能のためのリハビリができるようなC病院というように、機能を分担するわけです。そこに病院間をつなぐ「地域連携クリティカルパス」というものを作って進めていきます。

白壁 急いで片付けなければならないことから、長期的に取り組まなければならない問題まで実に多くの問題が山積しています。医療は衣食住と並ぶ重要なものです。安心できる地域医療体制の確立に向けて、政治の立場で汗を流していきたいと思います。ありがとうございました。

今の医療資源を
死守しながら
充実を目指す。——小沼

医師確保に
手をこまねいて
いてはだめだ。——白壁

教員養成課程6年制

文科省は今年度実施されたばかりの教員免許更新制度を2011年度より廃止し教員養成課程6年制を新たに導入するという、また教育実習期間も1年間に延長する方針だ。

6年間を費やして良い教員を養成しようというのは教育先進国フィンランドのそれと似ている。

フィンランドは民主党が言うように高校生までの授業料の無償だけではなく、大学までも無料化している、今の日本の制度に照り合した場合ドクターコースであり6年間もの授業料が払える学生がさて、そんなにいるのだろうか、逆に少ないとすると教師の質の低下が危惧される。

また、実習の問題も抱えている、それでなくても何かと問題が多い教育実習であるが、それを1年にするというのだから、現場はたまったものではない。

自民党の更新制度も愚策であるが民主党のそれもあまり拙速にしすぎると後々問題を引き起こす。

輿石参議員会長の発想であるように聞くが、専門家や現場の声を聞き100年の計を立てていただきたい。

フィンランドの教育は、世界一流と言うか教育の七不思議である、しかしこの手法でOECD学力テストであらゆる科目において何年もトップと言うのも事実であり、まねすべき点はまねするも、ひとクラスの生徒数やテストはやらない、教員は朝8時から午後2時30分で帰宅、諸々変えなければそこに到達するのは難しい。

この問題は、国家的、国民的議論を踏まえて真剣に考えてほしい。

私個人としては、教員のエキスパートを養成する専門性の高いドクター制は大賛成である。

栄養教諭の配置について

山梨県は栄養教諭を全市町村に10年度から5カ年計画で配置することを決めた。

これは、県議会の場において自民党系の議員2名の2月代表質問に対して山梨県教育委員会が答えたものである。

県側は食育指導の充実を図るためと言うことである。

バランスのとれた食生活指導や食材の「地産地消」を推進する、とのことであるが、成果のほどはいかがなものか?

そもそも、食育とは何なのか?

財団法人食育生活情報サービスセンターにはこんな定義が記載してある。

食育とは、国民一人一人が、生涯を通じた健全な食生活の実現、食文化の継承、健康の確保等が図れるよう、自らの食について考える習慣や食に関する様々な知識と食を選択する判断力を楽しく身に付けるための学習等の取組みを指します。

ここまで学校で指導する必要があるのだろうか?確かに私が小学生のころは給食の前に担任の先生や給食当番がパンは炭水化物で栄養的には、こんなことに役立ち、牛乳はカルシュームで骨を作り、肉は・・・・・いろいろ説明があった、内容までは覚えていないが栄養士が書いたものをみんなで聞いていた記憶がある。この当時「かっけ」などいうものはなく、栄養価の高いものを食べるようになっていたのではないか。

しかし、今なぜ?

地産地消と言うなら・・・・多少はわかる。

しかしこれも多少であって、実際には市町村長さんのやる気や栄養士の熱意がなければ成功しない施策でもある。

他県ではコメを地元産米を使い農水省の補助を受け電気炊飯器を数十台購入した、しかし、学校の電気容量が足りず、整備するのには数百万円かかるということであきらめたという話も聞く。

また、給食調理室には人件費を抑え効率的に調理するために、たとえば「野菜の切断機」などがあるが、これらは曲がったり、太かったり、短かったりすると機械が使えず人間の力ででやらなければならない。

食育も子供たちの基本的な素地の教育も家庭で行うものであって学校で行うものではないと考える。

少子化や統廃合で教員の数が余るようであれば北欧のような教育形態をとり少人数学級やテストのないシステムを作るほうがよりベターではないか。

私の母校船津小学校には「早寝・早起き・朝ごはん」と言う標語が屋上に書いてある、これも、栄養教諭がやることも家庭で行うべきことであって、教師がすることは子供たちの集団生活指導や勉強に対するやる気の奮起、スポーツの奨励が主たる職務ではないだろうか?

地元高校生との座談会にて

これからの30年いや20年かもしれないが間違いなく時代は変わる。

地元の高校生たちと話をする機会を得た。

私はどのような話をしようかと考えた末にこんな話をした。

日本の30年後は「変化が常態」の時代になる。

未来は何が起こるか分からない、そんな時代を生きる上で一番大切なことは未知なる未来を楽しめる心、」未来を探求できる強さをもとことだ。

未来とは不確実で予測不能なものだからこそ人生は面白い、そう思って日々を生き、わからないことの面白さや混沌を楽しめるだけの自信をつけよう。

それが現在において何かを学ぶことの一番大きな意味だ、そして何より大事なのは「生活」を人生の、将来の目標にしないこと。フロンティアへの挑戦や冒険、研究や創造、知的興奮の追及、パブリックな精神に基ずいた活動、グローバルな難題の解決・・・・没頭する問題は何でも良い。でも良い暮らしをするためとか、美味しいものを食べるためとか、便利で快適な生活な暮らしとか、そういった「生活」レベルのことではなく、それよりも高い次元の価値観を追い求めること、それが、先進国に生まれ良い教育を受けている、君たちの責任だ。

次の30年は人類の前に本当に解けるかどうかわからない難題がたくさんある時代だから、私は相手が若ければ若いほど本気で話をしている。

あえて「生活」という言葉に言及したのは、彼らの親の時代(私より10歳くらい若い)の日本人が「安定された生活が担保される未来」のことばかり言い、そのために「勉強しろ」、いい大学を出て大きな会社に入れ、公務員試験1種を取れ、と子供を育てるケースが多く、私はそういう姿勢に全く賛同出来ないからである。

戦後生まれの多くは「予測可能な未来」を前提に生きることのできた最後の幸福な日本人であった。

しかしこれからは違う、例えば終身雇用、であるがまさしく「予測可能な未来」を象徴する言葉であって、世の中が変わり会社が役所が勤め先が何時無くなってしまうか分からない時代には、なにも意味をなさない。

若い時から、「生活」の質の向上や安定ばかりを求めれば、変化に弱くなってしまう。次世代の日本人に必要なものは「変化が常態」となった予測不可能な未来」を楽しめる姿である。

山梨県議会議員 白壁賢一

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