平成23年6月15日6月定例議会において横内知事が趣旨説明を議場で行われました、この定例議会は2月とは違い、政策的な予算が多く含まれており横内知事としても2期目の重要な議会と位置づけ盛りだくさんの事柄が計上されております,以下知事の趣旨説明全文を掲載します。
平成二十三年六月 定例議会 知事説明要旨 山梨県
平成二十三年度六月定例議会の開会に当たり、提出致しました案件のうち、主なるものにつきまして、その概要を御説明申し上げますとともに、私の所信の一端を申し述べ、議員各位並びに県民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。
東日本大震災は、我が国にまさに国難とも言える事態をもたらしました。
被災地では復興に向けた取り組みが少しずつ始まっていますが、福島第一原子力発電所事故への対応をはじめ、住民が安心して暮らせる状態を取り戻すには未だに多くの課題が残されております。
また、県内においても、計画停電の実施や風評被害等により、県民生活や県下の産業経済活動に大きな影響が生じています。
県では、三月十五日、私が本部長を務める「東日本大震災山梨県対策本部」を設置し、被災地や県内への避難者の支援策を講ずるとともに、電力不足への対応や県内中小企業等の支援に全庁を挙げて取り組んで参りました。
避難者の支援につきましては、本県には福島県を中心に三百二十世帯余り約八百名の方が避難してきていますが、中長期的な支援が求められております。
このため、公営住宅や職員宿舎を提供しているほか、県内での就職を希望する避難者には就職相談等を実施しております。
被災した児童生徒の転入学に当たっては、高等学校の入学料を減免するほか、奨学金の貸与手続きを弾力的に運用しております。
次に、電力不足への対策につきましては、先月十三日、国の電力需給対策本部において、夏期の使用最大電力を十五パーセント抑制するという目標が示されました。
これを受け、本県としても、「やまなし節電県民運動キャンペーン」を実施し、県民、事業者、行政が一体となって節電に取り組むとともに、県自ら率先して夏期の節電に取り組むため、国の目標を上回る二十パーセント抑制を目指した節電対策を実施することと致しました。
また、中小企業者が省エネ・節電対策のために行う設備の改修に対して、新たに助成を行うなど、県民や企業の皆様の主体的な取り組みを支援して参りたいと考えております。
次に、県内中小企業等への支援につきましては、商工業振興資金の総融資枠を当初予算において二百億円確保したところでありますが、震災の間接的な影響により経営の安定に支障が生じている観光業者等を融資対象に追加するとともに、新たに東日本大震災復興融資を設けたところであります。
先般、県内の金融機関の代表者にお集まりいただき、私から直接、中小企業者に対する円滑な融資に特段の配慮をしていただくよう要請したところであり、今後も資金需要を十分注視しながら、適切に対応して参ります。
また、原子力事故を受けて諸外国が農産物等の輸入規制を行っています。
これに対しては、輸出相手国が求める証明書等を遅滞なく発行する体制を整備するとともに、国に対し、科学的根拠に基づいた冷静な対応を諸外国に求めるよう要請しているところであります。
更に、震災後、旅行の自粛ムードが広がり、原子力事故による風評被害を受けたことから、本県の観光業は非常に深刻な状況に置かれております。
このため、先ず私自らがJTBなど大手旅行会社に赴き、本県への観光客の送客を要請するとともに、市町村や観光業者と連携し、山梨の魅力をPRするキャンペーンや観光キャラバンも積極的に実施してきたところであります。
その結果、ゴールデンウィークには、観光客のある程度の回復がみられたところでありますが、更なる回復を図るため、先月二十日に発表した緊急観光振興対策により、誘客イベントの創出や、県内での宿泊滞在につながる旅行企画への支援を行うこととし、本県への誘客を強力に進めているところであります。
県と致しましては、震災に伴う様々な課題に対し、今後とも、全力を挙げて対応してまいる所存であります。
我が国は、被災地とともに、この国難に打ち勝っていかなければなりません。
我が国が、そして本県がこの国難にどのようにして打ち勝っていくか、日本国民の、そして山梨県民の真価が問われており、この時代に県政執行を担う責任の重大さを私自身改めて実感しております。
さて、去る一月の知事選挙におきまして、私は「暮らしやすさ日本一」の山梨づくりを実現するため、県民の皆様に七つのチャレンジをお約束しました。
今後、これらを具体化した施策・事業を実施し、着実に育ちつつある「山梨発展の芽」、すなわち将来の山梨発展に向けた変化を更に大きな成果へと結実させていくことが、私の使命であります。
このため、新たな県政運営の基本指針となる次期行動計画の素案を策定し、先日、その概要を県議会に報告したところですが、今後は、県会議員各位をはじめ、幅広く県民の皆様のご意見を伺う中で、更に検討を進め、本年十月には、第二期チャレンジ山梨行動計画として策定して参る所存であります。
今回提出致しました補正予算案は、震災への対策及び本県における防災体制を強化するための施策について重点的に計上するとともに、私の目指す県政を具体化するための新規施策的事業に係る所要の予算を計上したものであり、県議会の御承認をいただいた上で、速やかに実行に移して参ります。
次に、当面する県政の課題について申し上げます。
第一に、防災体制の強化についてであります。
本県では、東海地震などの大規模災害が想定されておりますが、震災の教訓や国の防災基本計画の見直しの状況を踏まえ、防災体制の全面的な見直しが必要であると考えております。
このため、防災体制を総点検し、九月を目途に、県庁としての防災施策を盛り込んだ、やまなし防災アクションプランの見直し案を取りまとめるとともに、本県防災に関する総合的な計画である山梨県地域防災計画についても、年内を目途に、関係機関で構成する県防災会議において修正を行って参ります。
また、山間地帯が多い本県においては、被災者の救助や救援物資の搬送にはヘリコプターが極めて有効であり、大規模災害の発生を想定した場合、自衛隊や緊急消防援助隊等のヘリコプターの応援を受け入れる体制を構築することが必要であります。
このため、消防防災航空基地検討懇話会の提言を踏まえ、消防防災航空基地機能の抜本的な強化に向けた調査を実施して参ります。
更に、災害発生時に中心的な役割を果たす消防、警察などの防災関連部局等を集中配置し、防災拠点としての高度の機能を備える防災新館について、平成二十五年度の完成を目指して整備を進めるとともに、消防学校につきましても、複雑・多様化する災害や火災等に的確に対応できる教育訓練施設とするため、着実に整備を進めて参ります。
また、東日本大震災においては、国内で初めて、負傷者を自衛隊の輸送機等で被災地外に運ぶ広域医療搬送が行われました。
本県でも、大規模災害が発生した際には、県外の医療機関に重症患者を搬送するための拠点、いわゆるSCUが、小瀬スポーツ公園内に設置されることとなっておりますが、このSCUに必要な医療資機材等の更なる充実を図り、大規模災害への備えを強化して参ります。
第二に、クリーンエネルギーの推進についてであります。
豊かな自然環境に恵まれている本県では、これまでも太陽光発電や小水力発電などのクリーンエネルギーの推進に重点的に取り組んで参りましたが、福島原子力発電所事故により、エネルギー政策の見直しが必要とされる中、クリーンエネルギーの重要性は一層増してきております。
このため、既設の個人住宅や事業所に設置する太陽光発電設備等への助成を拡充することと致しました。
また、内陸部では国内最大規模となる米倉山太陽光発電所につきましては、この九月を目途に、試験運転しよる発電を開始できるよう工事を進めるとともに、深城ダムの放流水を利用した発電所の建設につきましても、明年四月の運用開始を目指して鋭意取り組んで参ります。
更に、再生可能エネルギーを本格的に普及させていくためには、蓄電池等の電力貯蔵技術の開発が不可欠であります。このため、先日、鉄道総合技術研究所と協定を締結し、本県にゆかりのある超電導や水素などを活用した電力貯蔵技術の研究を推進することとしたところであり、今後は、平成二十五年度から始まる見通しの国の電力貯蔵技術に関する実証試験の研究拠点誘致を目指して参ります。
第三に、富士山世界文化遺産登録についてであります。
富士山世界文化遺産登録については、富士五湖の国文化財指定が最も大きな課題でありましたが、過日、国の文化審議会から答申が出され、国文化財名勝に指定される見通しとなりました。
これにより、富士山の世界文化遺産登録のために必要な本県の構成資産はすべて文化財として指定されることとなり、七月末の文化庁への推薦書原案提出に大きな前進が図れたものと考えております。
今後も、国の機関、静岡県、市町村等と密接に連携を図りながら、推薦書原案及び包括的保存管理計画の策定を進め、文化庁への提出に向けて、全力で取り組んで参ります。
第四に、リニア中央新幹線の早期実現についてであります。
リニア中央新幹線については、国土交通大臣が営業主体及び建設主体としてJR東海を指名し、整備計画の決定と建設を行うべきことを指示したことにより、歴史的な節目を迎えました。
先日、幅三キロメートルの概略ルートと、おおよその駅の位置を甲府盆地南部とすることが公表されたことを受け、一昨日には、リニア中央新幹線建設促進山梨県期成同盟会の臨時総会を開催し、JR東海の提案を基に、関係市町村等とも十分に協議を行い、リニア新駅が本県にとって最適な場所に設置されるよう合意形成に努めるとともに、リニア中央新幹線のメリットを最大限活用できるよう取り組んで参ります。
第五に、森林保全等を目的とした新税の導入についてであります。
森林は、洪水や土砂災害を未然に防ぎ、地球温暖化を防止するなど多様な公益的機能を持つ、本県の貴重な財産であることから、健全な森づくりを県民全体で支えていくことが不可欠であります。
このための新たな仕組みとして、学識経験者や専門家等で構成する税制懇話会からの報告や県民の皆様への意向調査の結果を踏まえ、森林保全等を目的とした新税の考え方の素案を取りまとめたところであります。
新税の仕組みとしては、県民全体で広く公平に負担していただくという観点から、県民税均等割に上乗せする方式とし、税額は、個人にあっては年額五百円、法人にあっては年額の均等割額の五パーセント相当額としたいと考えており、これによる税収は、年間で二億七千万円程度と見込んでおります。
今後、森林保全の必要性や税金の使途などについて、フォーラムや県内各地での意見交換会の開催を通じて、県民の十分な理解を得られるように努め、その上で、明年四月の導入に向けて、九月定例県議会には必要な条件案を提出したいと考えております。
また、本県森林の恩恵が及んでいる県外下流域である神奈川県との連携を図ってきたところですが、水源かん養や水質改善などへの負担のあり方について、引き続き協議を進めて参ります。
最後に、廃棄物最終処分場についてであります。
今定例県議会において、北杜市明野町の環境整備センターの将来的な収支見通し及び笛吹市境川町の次期処分場の基本的な方向性についての考え方をお示しすることとしていたところであります。
環境整備センターの収支見通しについては、一昨年、環境整備事業団が設置した経営審査委員会から、約三十五億円の赤字が見込まれるという報告をいただいたところですが、その後の廃棄物最終処分量の最新動向や、漏水検知システムの異常検知に伴う受入停止等の状況を踏まえて、収支計画の再見直しを行った結果、五・五年間で埋め立てを終了した場合の最終赤字額は、約四十七億円となることが見込まれます。
県と致しましては、今後、漏水検知システム異常検知の原因究明作業をできるだけ早期に完了させた上で、廃棄物の受け入れを再開し、引き続き、搬入促進に向けた取り組みを推進するとともに、再開後の受入状況を一定期間見極めた上で、埋立期間の延長について地元の皆様との協議をお願いして参りたいと考えております。
なお、漏水検知システムの異常検知の原因究明が困難、又は原因究明作業が長引いて、更に受入停止期間の長期化が見込まれる場合には、その時点において、改めて環境整備センターの方向性について検討を行う考えであります。
次期処分場につきましては、環境整備センターの搬入実績や産業廃棄物最終処分量の減少等を踏まえ、現行の整備計画を前提に、産業廃棄物と一般廃棄物を区分して収支の推計を行ったところ、産業廃棄物に関しては、次期処分場の維持管理期間が終了する平成六十六年時点の最終収支は六十三億円程度の赤字となる見込みとなりました。
産業廃棄物の最終処分量が減少する中にあっても、適正な処理を県内で行う必要性が低下するものではありませんが、現行計画により次期処分場の整備を行うこととなれば、新たに税金を多額に投入することが必要になり、財政状況の厳しい折、県民の皆様の理解を得ることは困難であることから、産業廃棄物の最終処分場の整備については、当面、凍結すべきものと判断したところであります。
一方、一般廃棄物につきましては、法律上、市町村に処理責任がありますが、県内には焼却灰等の埋め立てが可能な処分場がなく、県内に広域的な処分場を確保していくことにより、県内市町村が長期間にわたり、安定的に一般廃棄物の処理責任を果たしていくことが可能となります。
こうしたことから、次期処分場は県内全市町村の一般廃棄物を対象とする処分場として整備する方向で、市町村等との協議を進めることとし、甲府市及び、峡東三市のごみ処理施設の整備にできる限り影響が出ないよう、本年十月までに市町村等の意向確認を行い、十二月定例県議会において一般廃棄物処分場の整備方針をお示しして参りたいと考えております。
次に、提出案件の内容につきまして御説明申し上げます。
今回提出いたしました案件は、条例案八件、予算案四件、その他の案件四件となっております。
条例案のうち、主なるものにつきまして申し上げます。
先ず、山梨県医師海外留学資金貸与条例の制定についてであります。
県内における医療水準の向上及び医師の確保を図るため、海外留学研修の修了後、県内の公立病院等において医師の業務に従事しようとする者に対し貸与する海外留学資金を創設しようとするものであります。
次に、山梨県職員の勤務時間、休日及び休暇に関する条例等の改正についてであります。
東日本大震災に際し、災害救助法が適用された市町村において、県職員等が被災者を支援するために活動を行う場合のボランティア休暇の取得日数の上限を拡充することとし、これに伴う改正案を提出致しております。
次に、予算案につきまして申し上げます。
今回の補正予算案に計上致しております主要な施策・事業につきましては、県民だれもが真の豊かさを実感できる「暮らしやすさ日本一」の県づくりを目指して、以下に申し上げます七項目に沿って積極的に推進して参ります。
その第一は、「元気産業創出」チャレンジについての施策であります。
先ず、産業の振興についてであります。
県内には、機械電子産業をはじめとする優れたものづくり産業の集積がありますが、こうした産業の持続的な発展を図っていく必要があります。
このため、海外の販路開拓に意欲的な中小企業者に対し、近年、マーケットが急拡大している中国や東南アジアの専門家による指導・助言を行うとともに、海外展示会への出店を支援して参ります。
また、産業振興ビジョンで位置付けられた成長分野の新技術・新製品の研究開発について新たに助成を行うとともに、新分野進出支援融資の融資枠を拡大し、中小企業者の成長分野への進出を金融面からも支援して参ります。
更に、燃料電池の実用化に向けては、本年度より、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との共同研究として、中央自動車道双葉サービスエリアに移動式水素ステーションを設置し、燃料電池自動車の運行等について社会実証研究を進めて参ります。
次に、やまなしブランドの確立についてであります。
ワイン、フルーツ、ジュエリーなど、本県が誇る地場産業のブランドイメージの更なる向上を図り、力強い産業の振興を図るとともに、地域の観光資源としても活用していくことが重要であると考えております。
このため、地域資源を活用した旅行商品の造成を促進することとし、ワイナリーや宝飾事業者等と観光事業者との連携による地域ブランドツーリズムを推進して参ります。
また、織物などの本県地場産業の国内外での市場獲得を支援するため、海外進出の可能性を分析するワークショップの開催やミラノでのデザイン短期講座の開講など、販売力、デザイン力の強化と独自ブランドでの海外進出に向けた取り組みを推進して参ります。
次に、農業の振興についてであります。
県産農産物の販売力の強化に向けては、生産・流通・販売等の関係者で構成する農産物販売戦略委員会を設置するとともに、商談会、商品情報交換会等を開催して、ホテルなどにおける県産農産物のメニュー化を図るなど、情報発信と販路拡大に取り組んで参ります。
また、高品質な甲州牛の生産を促進するため、優良供卵牛の導入等を行い、受精卵の供給体制の強化、生産コストの低減を図って参ります。
更に、酒造好適米の安定供給・生産拡大を図るため、農業団体、酒造メーカー等で構成する協議会が行う酒造好適米の新たな生産に向けた取り組みに支援して参ります。
また、クニマスの生息実態を把握するため、水温、水質などの生息環境や個体数を調査して参ります。
次に、農作物等への鳥獣害対策については、特に被害の多いニホンジカ、イノシシ、ニホンザルの個体数の適正管理を行うことが重要であることから、猟友会などの関係団体の御協力を得ながら、緊急に対策が必要な里山地域における管理捕獲頭数を拡大して参ります。
また、市町村による被害防止のための捕獲機器の導入や追い払い用資材等の整備、防護柵の設置などの被害防止策に対して、積極的に支援を行って参ります。
第二は、「環境先進地域」チャレンジについての施策であります。
先ず、クリーンエネルギーの導入推進につきましては、既に申し上げましたとおり、太陽光、水、森林などの本県の豊かな資源を生かした太陽光発電や小水力発電等の普及促進、燃料電池の技術開発、実用化などになお一層取り組んでいくことにより、「やまなしグリーンニューディール計画」を積極的に推進して参ります。
次に、林業の振興と森林の保全につきましては、県産材の販路拡大に向けて、間伐材の集積を促進するため、森林組合や素材生産者が協働して間伐材を搬出する取り組みを支援して参ります。
次に、美しい環境の保全についてであります。
水は、暮らしや社会経済活動のみならず、すべての生命が生きていく上で欠かすことのできないものであり、同時に、美しい景観、心の安らぎの場としても重要な役割を果たしております。
そこで、将来にわたり水資源の保護と適正利用を図るため、水資源の利用実態、賦存量・供給可能量などを調査するとともに、有識者からなる検討委員会を設置して、新たな水政策について検討して参りたいと考えております。
また、美しく風格のある県土づくりを推進していくため、世界文化遺産の登録候補区域等の景観モデル地区において、市町村や住民が実施する修景事業に対して積極的に支援するとともに、県民、事業者、行政等からなる推進会議を設置し、県民による景観づくりや公共事業における電線類の地中化等の取り組みを全県的かつ継続的に推進して参ります。
第三は、「ウェルカム、おもてなし」チャレンジについての施策であります。
観光の振興のためには、国内外から訪れる観光客を「おもてなしの心」をもって迎え入れるため、県民、観光事業者、行政が一体となって取り組んでいく必要があると考えております。
このため、現在、「おもてなしのやまなし観光振興条例(仮称)」の制定に向けて、積極的に検討を進めているところであります。
一方、本県は、宿泊観光客に占める外国人の割合が高いことから、外国人観光客の減少により、宿泊施設や観光施設が今なお打撃を受けている状況にあります。
このため、来月実施予定のトップセールスについては、シンガポールとタイに加え、台湾と香港においても行い本県の安全性をPRするとともに、中国国内の観光ホームページに、「富士の国やまなし」の魅力を発信する特集ページを設けるなど、外国人観光客の誘客を積極的に促進して参ります。
更に、県、市町村、観光団体等による観光キャラバン隊を中国に派遣し、行政機関や旅行会社に対して観光セールスを行うとともに、ホテル、旅館等の従業員を対象とした中国人観光客向けの接客講座や料理講座などを開催し、受入体制の整備を進めて参ります。
また、都市農村交流の促進により峡南南部地域の活性化を図るため、空き家と耕作放棄地を活用した滞在型市民農園の整備等を行う取り組みに支援して参ります。
第四は、「交いの国」チャレンジについての施策であります。
リニア中央新幹線につきましては、既に申し上げましたとおり、概略ルートとおおよその駅の位置が公表されたことに伴い、基盤整備の方向性や県全体の活性化方策など、リニアを活用した県土づくりの基本的指針となるリニア活用基本構想を策定するため、具体的な需要予測など開業の影響に関する調査を実施して参ります。
また、現在、中部横断自動車道は、国と中日本高速道路株式会社により、平成二十九年度までの全線開通を目指して、事業が進められているところであります。
そこで、中部横断自動車道の沿線地域において、その全線開通による経済効果を最大限に活用して、地域の活性化を図っていくため、地域が主体となって行う先導的なプロジェクトに対して支援して参ります。
第五は、「生涯あんしん地域」チャレンジについての施策であります。
先ず、地域福祉の推進についてであります。
高齢者の方々が自宅や住み慣れた地域で安心して生活ができるよう、地域包括支援センターの機能強化等を図りながら、地域全体で介護を支える体制づくりを推進して参ります。
また、身体障害者等用の駐車場の適正な利用を図るため、駐車場利用証制度の導入について検討を進めて参ります。
次に、保健医療の充実についてであります。
県民が安心して生活できるようにするためには、急病や突発的な事故に遭遇した際に、迅速に適切な治療が受けられる救急医療体制の確保が必要であります。
このため、県議会での御議論やドクターヘリ導入可能性検討委員会からの報告を踏まえ、ドクターヘリを早期導入することとしたところであります。
本年度は、医療や消防などの関係者で構成する運用準備委員会を設置し、秋頃を目途に、運用マニュアルの作成や離着陸場の確保を行うとともに、県立中央病院においては、運航委託会社の選定や医療スタッフの養成・確保を行うなど、明年四月からのドクターヘリの運航開始に向け、着実に準備を進めて参ります。
また、高齢化の一層の進行に伴いがん患者が増加し、化学療法の需要増が見込まれることから、日常生活を維持しながら治療ができる外来化学療法の充実・強化を図るため、県立中央病院に通院加療がんセンターの整備を進めるとともに、ハイリスク分娩への対応や胎児・新生児に対する高度技術医療を担う総合周産期母子医療センターの機能拡充を図って参ります。
更に、富士・東部地域における歯科救急医療体制の整備を図るため、歯科救急拠点に必要な機能や設置場所等について検討を進めて参ります。
第六は、「未来を拓く人づくり」チャレンジについての施策であります。
先ず、豊かな個性を伸ばす教育環境づくりについてであります。
経済的な理由により就学困難な生徒の教育機会の確保に資するよう、授業料減免を行う私立高校に対して行っている助成制度につきましては、昨年度から国の高等学校等就学支援金制度の導入に併せて、助成対象者を拡大して参りましたが、厳しい経済状況の中、教育費負担が家庭を圧迫している現状を踏まえ、補助限度額を引き上げることとし、一層の授業料負担の軽減を図って参ります。
また、心身に障害のある幼児の就園を一層促進するため、障害児が二人以上在園する私立幼稚園に対する補助単価を増額することとし、私立幼稚園の財政的負担を軽減するとともに、障害児教育の充実を図って参ります。
更に、審議会を開催して中高一貫教育や高等学校入学選抜制度等の諸課題について検討して参ります。
また、平成二十二年度に実施した全国学力・学習状況調査の結果や小学校においては平成二十三年度、中学校においては平成二十四年度から全面実施される新学習指導要領を踏まえ、児童生徒の学力向上対策として、研究校を指定して指導方法等の実践的な研究とその成果の普及を行うとともに、児童生徒の学習のつまずきを把握し、指導改善に生かす学力把握調査などを実施して参ります。
次に、生涯を通じて学ぶ環境づくりについてであります。
新県立図書館につきましては、明るく親しみやすい図書館を基本として整備を進めておりますが、平成二十四年十一月の開館に向けて、本年度は、愛称やシンボルマーク、県都の玄関口として人々の出会いと交流の舞台にふさわしい空間を創出するモニュメントなどのパブリックアートを公募して参ります。
次に、文化の振興についてであります。
国内最大級の文化の祭典、国民文化祭を平成二十五年度に本県で開催致しますが、全国初の通年開催となるこの祭典の具体的な実施計画を策定して参ります。
また、国民文化祭の一連のステージを一体として監修するとともに、国民文化祭の顔となり全国に情報発信する総合プロデューサーの選定やイメージソングの決定、プレイベントの開催などを通じて、一層の気運の醸成に努めて参ります。
第七は、「改革続行」チャレンジについての施策であります。
将来にわたって持続可能で健全な財政構造を確立し、より効率的で質の高い県民サービスを提供していくためには、県債等残高の更なる削減、山梨版事業仕訳による事務事業の見直しの徹底、県出資法人の抜本的な改革など、行政改革を一層推進していくことが必要と考えております。
道路公社につきましては、経済の停滞、更には高速道路の各種割引制度などにより雁坂トンネル有料道路の通行台数が計画を大幅に下回り、料金収入が低迷しているため、本年度以降、建設資金借入金を返済できない状態がしばらく続く見込みとなっております。
このため、県議会や外部の有識者等による経営検討委員会の御意見をいただきながら、経営改善と財政支援の方向性をお示しするまでの間として、本年度につきましては、償還金不足分について短期無利子貸し付けを行って参りたいと考えております。
この他、林業公社などの県出資法人の抜本的改革を推進するとともに、公益法人制度改革への対応を行って参ります。
また、行政との協働によって公共サービス提供の新たな主体となることが期待されるNPOや公益法人等に対する経営体制の強化や人材の育成の支援などに取り組むほか、自治体と協働して行う地域の課題解決に向けた先進的な取り組みへ助成して参ります。
以上の内容をもって編成しました結果、一般会計の補正額は、百九十五億円余、当初予算と合わせますと四千六百五十億円余となり、前年度同期予算と比較して、〇・六パーセントの増となっております。
この財源と致しましては、地方交付税四十一億円余、国庫支出金六十六億円余、県債五十九億円余、繰入金二十二億円余などとなっております。
また、特別会計の補正額は恩賜県有財産ほか二会計で十九億円余となっております。
その他の案件につきましては、いずれも、その末尾に提案理由を付記しておりますので、それによりまして御了承をお願い致します。
なにとぞ、よろしく御審議の上、御議決あらんことをお願い申し上げます。
平成二十三年六月十五日
山梨県知事 横内正明
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